この記事は銀河連邦軍司令官の「アダム」について記述されています。 - 『フュージョン』『ドレッド』に登場するコンピュータについては、アダムをご覧ください。
『アダム・マルコビッチ』(Adam Malkovich) は、銀河連邦軍の優秀な司令官。かつてサムス・アランが連邦軍に所属していた時代の上官であり、彼女の過去を知る数少ない人物の一人である。
解説[]
寡黙にして聡明な銀河連邦軍司令官。地球人種の成人男性で、髪の色は黒色、目の色は青色。非常に厳格な軍人で、任務に際してはいかなる場合でも一切私情を挟まず、冷静沈着に状況判断を行い的確な指令を下す。その優秀な判断能力によって連邦軍に輝かしい戦績をもたらし、アンソニー・ヒッグスをはじめとした直属の部下からの信頼も厚い。銀河連邦に敵対するスペースパイレーツにもその名を認知されているようで、パイレーツ最高司令官のリドリーには、過去に旗艦を撃沈されたことから警戒対象として強く認識されている[1]。コスモ歴20X5年、勢力を拡大していたスペースパイレーツとの戦闘では、連邦艦隊の総司令官として現地で指揮を執っていた。パイレーツが壊滅した後は銀河連邦軍第07小隊の小隊長となり、部下と共にボトルシップの調査任務などに当たった。
銀河最強のバウンティ・ハンター、サムス・アランが銀河連邦軍に在籍していた頃の部隊の上官であり、彼女の凄惨な過去を知る数少ない理解者でもある。精神的に未熟であった若き日のサムスを上官の立場から見守り、普段ジョークなど口にしない厳格な性格でありながら、ミッションブリーフィングの最後に必ず「異論はないな?レディー」と冗談交じりの合言葉を発言するなど、意地を張っていたサムスを常に気遣う姿勢を崩さなかった。サムスはこうした温かい態度に反発しつつも、アダムを父親のような存在として慕っており、両者の間には絶対的な信頼関係が築かれていた。
「いかなる類の物であれ、生命とは誕生した時点で完成されたものであり、誰もこれを冒してはならない」という彼自身の信念に基づいた自然主義的な倫理観・哲学を持ち、生体兵器に代表される「生命の身勝手な利用」に対して極端に否定的な立場を取っている。そのためパイレーツや連邦軍過激派が画策したメトロイドの軍事利用に関しても、一貫して懐疑的な見解を持ち続けている。
各作品における特徴[]
メトロイド フュージョン[]
連邦軍の優秀な司令官であった彼の下で、私は任務についた経験がある。
冷徹なまでに任務に忠実な彼の判断は、常にすばやく、そして正しかった。
ややデリカシーに乏しく、時折私を「レディー」と呼び、神経を逆なですることもあったが…
- シリーズで初めてアダムの存在が示唆されたが、作中では既に故人。サムスの回想中で彼の性格・経歴を垣間見れる。
- 本作の冒頭で、サムスは銀河連邦から新しいスターシップを提供される。このシップに搭載されコンピュータの口調が、かつての上官「アダム・マルコビッチ」に似ていたため、サムスはコンピュータの事をアダムと呼ぶようになる。詳細は該当記事を参照。
メトロイド (マガジンZ)[]
生きて帰ってくるんだサムス 戦士の証明はいらない。
レディ キミを待つ人を忘れるな!
- 銀河連邦軍の司令官として登場。連載同時期に発売された『フュージョン』で断片的に語られていたアダムの生前の姿が、本作で初めて確認された。第3話「初陣」のラストシーンで初登場。辺境の惑星ジグラードを制圧したパイレーツを倒すため、連邦軍の戦艦を率いて掃討作戦の準備をしていたものの、偵察任務でジグラードに潜入した、銀河連邦警察に入隊して間もないサムス達が独断行動で先にパイレーツを鎮圧・逮捕したため作戦は頓挫。命令違反を冒したサムス達を高く評価しつつ、銀河連邦の統治下に入り平和が戻ったジグラードで、捕虜として拘留されたゼーベス星人「P-1」の尋問を行った。
METROID OtherM[]
ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。 |
- ゲームシリーズに生前のアダムが初登場。第07小隊を率いてボトルシップの調査の任に付いており、入口のハッチを開けるのに手間取っていた所、救難信号を受信して訪れたサムスと再会。アンソニー・ヒッグスの計らいもあり、サムスを有用な戦力になると考え、サムスを一時的に部隊に組み入れる。
- 本作では『フュージョン』で描かれたサムスとの関係性と過去がより深く掘り下げられている。サムスがまだ銀河連邦軍に所属していた頃、悲惨な過去を持ち、周囲に強がっていたサムスを部隊メンバー達と共に父親にように見守っていた。しかしある時、弟の「イアン・マルコビッチ」が宇宙船のブースターを修理していた際にブースターが暴走、サムスの自分が助けに行くという提案を退け、イアンごとブースターを切り離すことを決断する。結果的にこれは乗客達の命を守るという点で正しかったのだが、この冷徹な判断に納得できなかったサムスは反発し、軍を離脱してしまう。
- そんな過去はあったものの、既に年月が経過してサムスが考えを改めたのを知ってか知らずか、再会したサムスには部隊に所属していた時と同じように接する。サムスの持つ数々の武装が、他の兵士や民間人にとって非常に危険なものであることを熟知しており、制限をかけて必要に応じて解禁することを念押しする。ただし、パワーボムだけはあまりにも危険すぎるため、解禁の予定は無いと言い切った。そしてメンバーを施設内の各地への調査に赴かせ、自らは司令室にてメンバーから送られてくる映像をモニターし、状況判断と指示を出す役割に付く。
- 「デリーター」によって部隊のメンバーが次々と暗殺されていく中、彼も何者かの襲撃を受け、サムスと音信不通になってしまう。しかし、実際は生き延びており、通信機器を破壊されて連絡が取れなくなってしまっただけでモニターは継続していた。そして、サムスが施設内で出会った女性の正体と、その目的を察し、自ら動き出す。セクターZEROに辿り着き、内部の調査を進めようとしていたサムスを引き止める。
- 目覚めたサムスに、セクターZEROには兵器として開発された「凍結しないメトロイド」が保管されていることと、それに纏わる銀河連邦軍の計画の暴露、軍に反乱を起こしたメリッサ・バーグマンへの警告などを行った。メトロイドを軍事利用する計画には過去にアダムも僅かに関わっており、サムスもその情報を目にして若干疑念を持っていた。実際はメトロイドの危険性から軍事利用は不可能と考え、中止を提言していたものの黙殺され、隠れ蓑として名前だけ利用されていたのである。それらを語った後、「行くべきものが行き、残るべき者が残る」という判断の元、セクターZEROに侵入して内側から自爆装置を作動させ、自分ごと切り離して爆発させることでMBや銀河連邦軍の企みを阻止した。
メトロイド ドレッド[]
- 『フュージョン』に引き続き、コンピュータのアダムが続投。また、クリア特典の「エンディングリワード」「チョウゾアーカイブ」をコンプリートした際に解禁されるアートに、『Other M』の軍服姿のアダムが確認できる。
オフィシャルデータ[]
取扱説明書[]
寡黙にして聡明な銀河連邦軍司令官。サムスの元上官であり、彼女の悲惨な過去を知る良き理解者でもあった。
METROID Other M 取扱説明書
ナビゲーションルームで通信する、スターシップのコンピュータの合理的で的確な指示が、過去のミッションで関わりのあった連邦軍司令官、アダム・マルコビッチを彷彿とさせることから、サムスはこのコンピュータを「アダム」と呼ぶことにしました。
メトロイドフュージョン 取扱説明書
書籍[]
サムスの元上官であり彼女の悲惨な過去を知る銀河連邦の司令官。周囲に反発していた若きサムスの理解者でもあった。
任天堂公式ガイドブック METROID Other M
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ[]
サムス・アランが所属していた銀河連邦軍、
アダムは、その第七小隊の司令官だった。
基本的に寡黙な彼がジョークを口にする時、
それは大抵、部下を思いやってのことなのだ。
サムスは、そんなアダムを上官として尊敬し、
やがては父のように慕うようになっていった。
アダム・マルコビッチ、サムス救出後に殉職。大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U フィギュア説明文
登場作品[]
- メトロイド フュージョン (名前のみ)
- METROID Other M
- メトロイド (マガジンZ)
- メトロイド ドレッド (アートのみ)
豆知識[]
- 月間マガジンZ 2003年3月号に掲載された連載漫画版『メトロイド』第3話では、アダムは「アダムスキー マルコビッチ司令官」と呼ばれている[2]。
- 単なる誤植の可能性もあるが、当時はまだ『フュージョン』発売前であったため、企画段階での名称が「アダムスキー」だった可能性も伺える。
- ちなみに第4話以降の話 (連載/単行本問わない) や、単行本の第3話では「アダム」に修正されている。
ギャラリー[]
脚注[]
- ↑ 漫画版『メトロイド』第14話「信頼」より。第2巻P.130
- ↑ https://twitter.com/Wata_Ridley/status/1627256874222624769
関連項目[]
- カストール・デーン - 『メトロイドプライム3 コラプション』に登場する連邦軍士官。
- アレックス - 『メトロイドプライム フェデレーションフォース』に登場する連邦軍司令官。
- アダム
- アダムのヘルメット