『シャインスパーク』(Shinespark) は、サムス・アランが実行する特殊アクション。アイテム「スピードブースター」を利用した派生アクションで、ほぼすべての『2Dメトロイドシリーズ』で実行可能。
解説
スピードブースターを利用した応用テクニック。ブースターで加速移動中にしゃがみ動作を行うと、急停止して高速ダッシュが中断され、満ち溢れたエネルギーでサムスの全身が光輝く状態が維持される。このとき、すかさず垂直ジャンプを行うと、空中を超高速で突き進む「シャインスパーク」が発動する。デフォルトでは、地上から上空に向かって飛び上がる垂直方向のシャインスパークとなるが、アクション発動時にジャンプと同時に方向キーを入力することで、移動方向を選択することができる。シャインスパーク中には操作ができず他のアクションは一切できないが[1]、壁などの障害物に衝突するまで直進を続けるため、空中での長距離移動、タイムアタック時の移動時間の短縮などに有効利用できる。
シャインスパーク発動前のチャージ状態は、一定時間(数秒間)が経過するか、サムスがダメージを受ける(『ドレッド』を除く)と強制解除される。ほとんどの作品で、チャージが維持されている間もサムスの操作が可能。チャージ状態を維持したまま歩行移動したり、回転ジャンプで立ち位置を変え、任意の場所を起点にシャインスパークを実行するなど、比較的 自由に行動できる。
スピードブースターと同様、シャインスパーク発動時には膨大なエネルギーが発生し、サムスの全身からまばゆい光が放たれる。このときサムスはほぼ無敵状態で、外敵の接触ダメージ・攻撃の大半を無効化する。加えて、シャインスパークには高い攻撃性能が備わっており、全身から放たれる強力なエネルギーによって、接触した敵クリーチャーに致命的ダメージを与えながら突破することが可能。通路を塞ぐ障害物の破壊にも有効で、脆い地形やダッシュブロックなどの特殊ブロックも粉砕しながら貫通する。サムスの攻撃能力の中でもトップクラスの破壊力を誇り、様々な用途に利用できる応用性の高いアクションとなっている。
シャインスパークの使用者
サムス以外にも、シャインスパークを使用するクリーチャーが存在する。
『スーパーメトロイド』に登場するダチョラは、スピードブースターと同等の高速移動能力を持つ無害なクリーチャーで、シャインスパークも実行できる。『メトロイド フュージョン』でのサムスの回想では、当時のサムスはスピードブースターに秘められたこの応用アクションの存在を知らず、ダチョラの行動からヒントを得て、シャインスパークを会得したと語っている[2]。
『メトロイドプライムシリーズ』に登場するダークサムスも、シャインスパークに似た突進攻撃を使用する。『ドレッド』では、レイヴンビークが戦闘時にシャインスパークを発動して、サムスを攻撃してくる。この2体が使用するシャインスパークは、助走を伴わず発動可能。
各作品における特徴
スーパーメトロイド
シャインスパーク中のサムスとダチョラ (スーパー)
- ブーストダッシュ中に十字ボタン下を押してしゃがむと、停止したサムスの全身が白色に点滅する。この状態からジャンプボタン(デフォルトではAボタン)を押して垂直ジャンプを行うと、シャインスパークが発動。サムスの全身が黄色に光り輝き、残像を発生させながら空中を超高速で直進する。接触した敵に極大ダメージを与える最強クラスの攻撃能力である他、ダッシュブロック・ボムブロックなど障害物の破壊にも利用できる。
- デフォルトでは真上に向かって飛び上がるが、突進の直前に方向キーを同時入力すると、移動方向の選択が可能。Aボタン+十字ボタン左右で横方向、Aボタン+Rボタンで斜め上方向にシャインスパークを実行できる。横方向のシャインスパークで緩やかな坂道に差し掛かった場合、停止することなく傾斜に沿って直進移動を続ける。斜め上方向のシャインスパークは、放物線軌道で急速に飛び上がる性質がある。
- 本作のシャインスパークには、エネルギーを大量に消耗するという大きなデメリットがあり、アクション発動中はサムスのエネルギータンクが急激に減少していく。エネルギー残量が29以下になるとアクションが強制中断され、エネルギーを回復しない限り、シャインスパークを使用できなくなる[3]。また、シャインスパークで壁に衝突してアクションを終了する際、サムスの残像が衝撃波となって拡散される。サムスを起点に2つの衝撃波が発生し、シャインスパークの進行方向に対して垂直な方位へ、超高速で拡散され画面外に消えていく。この衝撃波にはスピードブースターのダッシュアタックと同程度の威力があり、接触した敵に致命的なダメージを与えられるが、リッパⅡなど一部の敵に対しては効果が無い[4]。
メトロイド フュージョン
シャインスパークで敵を粉砕 (フュージョン)
- シャインスパーク移動中にエネルギーが消費されなくなった。
- 突進速度はスピードブースター走行時と変わらない。
- 斜め上方向のシャインスパークの軌道が、放物線移動から直線移動に変更。
- ボムブロックを破壊できなくなった。
- 前方向を入力しながらスロープ状の地形に突っ込むと、地上を走行するブーストダッシュ状態に戻る。
- また、ゲーム終盤にセクター4 AQA下層エリアを探索する際、シャインスパークのテクニックを活用し、ディフュージョンミサイルを取得せずにナビゲーションルームに到達する非正規ルートに成功すると、正規ルートに戻ることを示唆する隠しメッセージを見ることができる。
メトロイド ゼロミッション
シャインスパークで急上昇するサムス (ゼロミッション)
- 本作では、エリアの随所にダッシュブロックで塞がれた隠し通路が組み込まれている。この位置を正確に把握しておけば、要所でシャインスパーク/ボールスパークを利用することで大幅なショートカット・時間短縮が可能。タイムアタックプレイで重宝する。
METROID Other M
上方向のシャインスパーク (Other M)
- スピードブースターでの高速ダッシュ中に 2ボタンを押すと、サムスがその場でしゃがみ、準備状態になる。準備状態を保持したまま移動はできず、2ボタンを離すとシャインスパークが発動し、青白いエネルギー波を放ちながら、空中を高速移動する。デフォルトでは高速で真上に飛び上がり、空中に飛び上がってしばらく経つと、シャイン状態が解除され、空中から地上に降下していく。また、十字ボタンで方向入力を行うと、任意の方位に向けてシャインスパークを実行可能。
- 歴代『2Dメトロイドシリーズ』では、シャインスパークは隠しアクションとして扱われていたが、本作ではステータス画面に解説があり、ゲーム攻略に必須のアクションとなっている。ある程度の助走距離を確保してスピードブースターを発動後、シャインスパークでエリア対岸に向かって大ジャンプしたり、真上方向にシャインスパークを行い高所エリアに到達するような場面が多々見られる。他にもシャインスパークの利用が取得に必要なアイテムも存在する。
メトロイド ドレッド
障害物を破壊しながら突き進む (ドレッド)
- 『Other M』と同様、本作もスピードブースターの解説にシャインスパークの記載があり、ゲーム進行に必須の能力となっている。また、特定の場面で上方向のシャインスパークを発動すると、カメラアングルがサムスを見上げる特殊な視点になる。
- 本作は概ね『ゼロミッション』の仕様を継承しているが、以下の差異点があり、よりシャインスパークが利用しやすいようになっている。
- スピードブースターの高速ダッシュ時、キッククライムやスライディング・空中からの着地をしてもダッシュ状態が解除されない。
- 高速ダッシュ中にスライディングしながら狭い通路に入ると、ダッシュ状態のままモーフボールに変形する。通路を抜けると自動的にモーフボールが解除される事が多い。
- シャインスパーク準備状態が、ダメージを受けても解除されない。
- 下/斜め下方向への突進が追加され、8方向にシャインスパークが発動できる。
- 斜め下へのシャインスパークで斜面に衝突した場合も、方向入力を続けていれば高速ダッシュ状態に移行できる。
- ボールスパーク時も含め、始動時に0.5ブロック分上に浮かなくなった。
- これにより、ボールスパークが1ブロックのみの狭い通路内からでも始動可能になっている。
- 特定の操作で、シャインスパーク直前の準備動作 (溜めモーション) をスキップできる。
- 上下方向:Lスティックを上下方向に入力しながらBボタン
- 地上で横・斜め方向:メレーカウンターなどの直後、Lスティックを入れたままBボタン
- 空中で横・斜め方向:Lスティックを入れながらBボタン(ジャンプ)+Yボタン(ショット)の同時押し
- この同時押しの判定についてはBボタンを先に押す分には猶予があるが、反対にYボタンを先に押した場合は成立しない。直立ジャンプ中において、横に方向入力している間はシャインスパークではなく回転ジャンプ移行が優先される仕様は従来どおりであるが、今作の回転ジャンプは発生直後にシャインスパークの発動猶予が存在する仕様であると考えられる。
- Lスティックを入れていない場合で同時押しをした場合も、準備動作は挟むがシャインスパークは発動する。
- 発動さえできるなら多くのボスに対してもダメージを与えられる。威力は概ね対象のボスを2発で倒す(対象の総体力の50%分)ほどの絶大なダメージを与えられる。現在確認されている、シャインスパークが効くボスは以下の通り。
- 鳥人兵士
- 寒冷化したアルタリアに出現する赤い個体に対して、1度だけ使用可能。ディフュージョンビームで入口を開通させた後、戻って通路から走ってチャージし、部屋の中に入って発動する。1発で盾を貫通して大ダメージを与えられ、即座に第二形態に移行させられる。
- エスキュー
- 部屋の外から走り出して発動する。当たり判定が出現するまで間がある他、定位置に付くとすぐに電撃シールドを展開して無敵になってしまうため、ある程度タイミングを予測する必要がある。
- 実験体 Z-57号
- 第2形態において風を起こす攻撃の後半で、扇風機で発動するのと同じ要領で助走距離を確保できる箇所がある。風攻撃終了後に頭部が無防備になっている間にシャインスパークを命中させれば、1撃で撃破できる。スピードブースターを維持しながら攻撃を回避する必要があるが、真下から発動するとカメラアングルが特殊なものになる。横から発動する場合は、スピードブースター発生直後にシャインスパーク準備状態になってもダメージは受けるが間に合う。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
ショルダータックル (SPECIAL)
- シリーズ第4作『for Nintendo 3DS』では、ゲームモード「フィールドスマッシュ」の持ち込みアイテムとして「シャインスパーク」が登場。移動力を強化するアイテムで、ダッシュ中の移動速度が上昇、さらに光のオーラを纏い体当たり攻撃ができるようになる。能力の性質としては、スピードブースターのダッシュアタックに近い。また、後発の『SPECIAL』ではスピリッツのスキル/個性「超速タックル」と名前を変えて続投しており、ファイターに装備することで同様の効果が得られる。
メトロイド サムス&ジョイ
- 第13話「悪魔の星 希望を信じて走れ」などで使用。
オフィシャルデータ
取扱説明書
スピードブースター状態で②を押して離すと、強力なジャンプをする。②を離すときに、十字ボタンを押していないと真上に、十字ボタンを押していると押している方向にジャンプ。
METROID Other M 取扱説明書
書籍
高速ダッシュ中にしゃがむと、サムスが赤い状態になる。そのまま垂直ジャンプをすると、空中でサムスが一瞬停止。このとき十字ボタンを押すと、押した方向に向かって空中を一直線に移動するシャインスパークとなる。
地面から1マス高い場所から、左・左斜め上・上・右斜め上・右の5方向に移動することができる。障害物に当たるまで突き進む。
赤い状態では、回転ジャンプや通常の移動ができる。ハイジャンプがあれば、「ボールスパーク」という、ボール状態からのシャインスパークが可能。
赤い状態で垂直ジャンプをして、飛ぶ方向を入力しよう。斜め上に進む場合は、十字ボタンの上+左右か、Lボタン+十字ボタンの左右を入力すればよい。
シャインスパークは、高速ダッシュ同様、ダッシュブロックや敵を破壊できる。しかも、空中を突き進むので、高い位置にあるブロックも壊せるのだ。
十字ボタンを進行方向に入力し続けて斜面にぶつかると、シャインスパークが解除される。斜面をかけ上り、再び地面の上を高速ダッシュするのだ。任天堂公式ガイドブック メトロイド ゼロミッション
スピードブースターで加速中にジャンプボタンを押すことで発動する。垂直ジャンプのほか、十字ボタンを押して任意の方向に飛ぶことも可能。間隔が広く開いた足場から足場へと移動する際などにも使用する。
任天堂公式ガイドブック METROID Other M
シャインスパーク
スピードブースター発動中にLスティックを下に入力すると、シャインスパーク準備状態に移行する。この状態は約5秒維持し、効果が切れる前にBボタンを押してからLスティックを飛びたい方向に入力すると、シャインスパークで壁や天井にぶつかるまで突き進む。
回転ジャンプからの発動
シャインスパークは回転ジャンプの動作中だと、Bボタンを押しても発動できない。ただし、射撃をして通常のジャンプ状態になってからなら発動可能だ。一部の隠しアイテムを入手する際に必要なテクニックなので覚えておこう。
準備動作のスキップ
シャインスパークは発動する際に準備動作を伴うが、最速で出す方法もある。Bボタンを押した後にLスティックを入れる操作ではなく、Lスティックを上か下に入れたままBボタンを押せば、準備動作がスキップされるのだ。
斜面でスピードブースターへ
横方向へのシャインスパークで45度の斜面に衝突した際に、Lスティックを進行方向に入力しておくと、シャインスパークは解除されるが、スピードブースター発動状態に戻れる。このため、斜面を利用すると助走の距離を稼げない場所でもシャインスパークを発動できる。メトロイド ドレッド パーフェクトガイド
公式サイト
シャインスパーク
スピードブースター状態から発動できる技。敵に大きなダメージを与えたり、特定の障害物を破壊したりしながら、一定方向に直線で飛び続ける。
登場作品
豆知識
- シャインスパークは、ダイナミックプロ制作のロボットアニメ『ゲッターロボ』シリーズの主役機、ゲッタードラゴンが使用する同名の必殺技「シャインスパーク」が元ネタである可能性が高い。
- ゲッタードラゴンのシャインスパークは、膨大な量のゲッター線をエネルギーに変換、発光するエネルギーを全身に纏った状態で、敵に向かって急加速。ある程度接近したところで離脱するが、放たれたエネルギーの塊を敵にぶつけて破壊する…といった必殺技である。細部が異なるものの、必殺技の発動過程が一致している。
脚注
関連項目
- ボールスパーク - 『メトロイド ゼロミッション』などで使用可能なアクション。ボール状態でのシャインスパークが可能。
- スパイダーブースト - 『メトロイド サムスリターンズ』で使用できる特殊アクション。上記のボールスパークと似ている。