この記事は『2Dメトロイドシリーズ』の主要キャラクターについて記述されています。 - ターロンメトロイドの幼生体については、ベビーメトロイド (ダークエコーズ)をご覧ください。
THE LAST METROID IS IN CAPTIVITY.
THE GALAXY IS AT PEACE...
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スーパーメトロイド OP
『ベビーメトロイド』(Baby) は、サムス・アランがSR388から持ち帰ったメトロイドの特殊個体。名前を短縮して『ベビー』とも呼称される。『2Dメトロイドシリーズ』作品に度々登場しており、同シリーズにおける重要なキーキャラクターとして描かれている。
解説[]
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ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。 |
捨て身の覚悟でクイーンを倒し、スターシップに戻ろうとした私の目の前で
見慣れぬ卵が孵化し、小さなメトロイドが現れた。
その赤ん坊は、生まれて初めて目にした私を、母親だと思ったようだ。
見慣れぬ卵が孵化し、小さなメトロイドが現れた。
その赤ん坊は、生まれて初めて目にした私を、母親だと思ったようだ。
- SR388に生息するクイーンメトロイドは、地下洞窟深部に特殊な卵を1個だけ産み落とした。この卵から生まれた個体こそがベビーメトロイドである。惑星内の全メトロイドを統べる次代のクイーンとなる宿命を持った、特別な個体となる予定だった。しかしベビーが誕生する直前、サムス・アランがSR388のメトロイドを殲滅したことで、ベビーの運命は大きく変わることとなった。
- 卵から孵化した小さなベビーは "刷り込み" によって、サムスを自身の母親と認識。肉親の仇である事実を知らず、無邪気に寄り添っていった。サムスはこの純粋無垢な幼体の殺害を躊躇い「ベビーメトロイド」と名付けて回収。SR388を後にしたのだった。
- その後、サムスは連れ帰ったベビーを宇宙科学アカデミーに搬送。研究用サンプルという名目で受け渡し、その未来を託した。これにより銀河社会にとって有益な様々な研究成果を得られた。しかし、この情報を知ったスペースパイレーツがアカデミーを強襲。研究サンプルと保管されていたベビーが奪い去られてしまう。
- サムスはパイレーツの本拠地「惑星ゼーベス」に単身潜入。パイレーツ殲滅およびベビー奪還のため奮闘した。しかし、復活を遂げたマザーブレインの圧倒的パワーによって、サムスは死の淵へと追いやられた。ベビーは瀕死状態のサムスを身を呈して庇い、マザーの攻撃を受け、サムスの頭上で絶命した。
スターシップのコックピットでSR388を臨むサムスとベビー。両者の間には、理想的な関係が築かれていた (MSR)
生態[]
エネルギー吸収能力[]
- ベビーは通常種のメトロイドと同様、エネルギー吸収能力を有している。本体底面にある牙を獲物に突き刺して密着、その生体エネルギーを吸収・蓄積可能。
エネルギー特性[]
- 体内に蓄積したエネルギーを逆流・放出することも可能で、他の生物に覆い被さってエネルギーを供給したり、エネルギーボールに変換して放出するなどの事例が確認されている。次代のエネルギー源を宇宙科学アカデミーの研究員達は、ベビーのこのエネルギー特性を平和的に活用できると考えていた。
クイーンに成長する特殊個体[]
- メトロイドはSR388の環境下において、脱皮によって変態し、アルファ、ガンマ、ゼータの段階を経て、最終形態のオメガメトロイドにまで成長する。そして、一部のオメガメトロイドはさらに成長を続け、最大級の個体であるクイーンメトロイドへと変貌する。クイーンはSR388系列のメトロイドの中で唯一、卵生生殖によって幼生メトロイドを無数に生み出すことが可能な個体であり、自身のテリトリーに棲まう他のメトロイド達を統率する重要な役割を担っている。
刷り込みによる疑似親子関係[]
- クイーンに成長できるメトロイドは1体だけに限られており、この個体はクイーンだけが産み落とす特殊な卵から誕生する。卵から孵化して間もない幼生体は、刷り込みによって初めて目にした生物を自分の母親として認識する。通常、生まれたばかりの幼生体が目にする生物は実の親であるクイーンであり、両者の間には血族としての強固な関係が築かれることとなる。しかし、クイーンは討伐され、代わりにサムスが親として認識されたのであった。
- ベビーメトロイドとサムス・アランとの間には、家族愛とでも言うべき感情に基づいた、強固な信頼関係が築かれていた。この両者の関係性は銀河連邦の研究者たちにも広く認知され、連邦の一部過激派が主導となり執り行われたメトロイド軍事化計画において、精神感応力 (テレパシー) による支配的制御より優れたコントロール事例として参考にされた。人間の姿を模したアンドロイド「MB」製作に至った最大の要因ともなっている。
結晶状物体の除去[]
クリスタルを破壊するベビー (MSR)
経歴[]
サムス・アランとの出遭い[]
- コスモ歴20X5年、スペースパイレーツによって引き起こされた一連の重大事件を受け、銀河連邦はメトロイドの危険性について強く認識。メトロイド根絶のためSR388へ調査隊を派遣したが、しばらくして調査隊との連絡が完全に途絶えてしまった。調査隊の救助を目的とした救援部隊も送り込まれたが、この部隊もまた、僅かな報告資料のみ残して音信不通となってしまう。
- 部隊から送られた資料から、SR388には今なお多数のメトロイドが棲息するという事実が判明。銀河社会は再びメトロイドの恐怖に包まれた。連邦上層部は、SR388にのメトロイド殲滅任務をサムス・アランに依頼した。
サムスの目の前で卵から孵化するベビー (サムスリターンズ)
- クイーンをサムスは帰路道中で、地面に産み落とされた卵を発見。サムスの目の前で卵が孵化、小さな幼生メトロイドが誕生した。生まれたばかりのそのメトロイドは、初めて目にしたサムスを刷り込みによって母親と認識。危害を加えることは無かった。サムスは、殲滅対象である筈のこの幼体の殺害を躊躇い、アームキャノンを下ろした。この無害な生物に、K-2Lの惨劇で唯一生き残った、かつての自分の姿を重ね合わせたのかもしれない。サムスはこの幼体を『ベビーメトロイド』と名付けて連れて行き、スターシップの待つ地表を目指した。
地下洞窟を抜け出したサムスとベビー (MSR)
- サムスの猛攻を受け怯んだリドリーは、手の内に収めていたベビーを取り落としてしまう。空中でベビーをキャッチ、救出に成功したサムスは、迫るリドリーに対して強烈なチャージプラズマビームを命中させた。ビーム直撃を受け地上に落下し、瓦礫の下敷きとなるも、すぐに覚醒したリドリーは再びサムスに襲いかかった。ベビーを安全な場所に退避させたサムスは、戦闘を続行。
サムスを庇いプロテウスリドリーに食らい付くベビー (MSR)
束の間の平穏と急落[]
アカデミーの研究員にベビーを譲渡するサムス (SM)
ベビーを奪い去るリドリー (SM)
- パイレーツの手によってメトロイドが複製・増殖され、生体兵器として利用される未来があってはならない。脱出したサムスはスターシップに乗り込み、ベビー奪還のため逃走したリドリーを追跡。要塞惑星ゼーベスへと急いだ。
ベビーの最期[]
カプセルの破片だけが遺された部屋 (SM)
巨大化・凶暴化したベビー (SM)
- サムスは、乾燥した砂地が広がる奇妙な部屋に到達した。部屋の随所には乾燥してミイラ状になった生物の死骸が散乱しており、この生物達がメトロイドに襲われ、生体エネルギーを吸い尽くされて死亡したことは明白であった。
- さらに先へと進むと、部屋の奥から巨大サイドホッパーが出現。サムスに襲い掛かろうとしたその時、突如現出した巨大メトロイドがサイドホッパーを捕食。エネルギーを吸い尽くされたホッパーはミイラ状に干からびて絶命。巨大メトロイドは、次なる目標をサムスに定め、彼女の激しい抵抗を物ともせず、頭上から覆い被さりエネルギー吸収を行った。しかし、サムスの残りエネルギーが僅かになった時、不意に巨大メトロイドは攻撃を止める。か弱い鳴き声を上げる様子を見て、サムスはこの生命体が探し求めていたベビーであることを確信した。パイレーツの実験により巨大化・他の生物を見境なく捕食する程に凶暴化していたが、母親であるサムスとの記憶を思い出し、間一髪でエネルギー吸収を中止したのである。ベビーは憂いを帯びた鳴き声を上げながらサムスから離れ、どこかへ姿を消してしまう。
ベビーの最期 (SM)
- 力尽き地に伏せるサムス。勝利を確信したマザーは、とどめを刺すべくビーム発射準備態勢に入った。刹那、行方不明だった巨大ベビーがどこからともなく出現。サムスを危機的状況から救うため、マザーの頭部に取り付きエネルギー吸収を行った。不意を突かれ暴れ狂うマザー。徐々に活力を失い、ついに活動を停止する。
- ベビーは瀕死状態のサムスに接近。頭上から覆い被さり、体内に蓄積したエネルギーをサムスに提供する。しかし、戦闘不能となった筈のマザーが再び息を吹き返し、無防備なベビーに対してビーム発砲を繰り返した。ベビーはマザーの執拗な攻撃からサムスの身を守りつつ、エネルギー供給を続行。サムスが全回復したことを見届けたベビーは空中に浮かび上がり、機敏な動作でマザーに襲い掛かる。しかし、マザーの強力なビームがベビーの本体を貫通。サムスの頭上で爆発四散して絶命した。
後に別の事件の発端となるベビーの細胞片 (MOM)
死後[]
この事実をかみ締めながら、今私は思う。
ベビーは、再び私の命を救ってくれたのだと…
ベビーは、再び私の命を救ってくれたのだと…
サムス・アラン
アカデミーに保管されていたベビーのDNAサンプル
- ボトルシップの事件から時間が経ち、メトロイド絶滅後のSR388生態系調査任務に同伴したサムスは、不幸にも寄生擬態生物Xに寄生され、絶体絶命の危機に瀕する。この治療過程でメトロイドはXの天敵であることが判明。連邦が保管していたベビーの細胞片からワクチンが精製され、この投与によってサムスは一命を取り留めたのだった。サムスは、再びベビーに命を救われたのである。
- 以降、サムスの体内にはメトロイドDNAが組み込まれ、メトロイドの性質を受け継いだ、この銀河で唯一無二の存在となった。文字通り、サムスはベビーと一心同体となったのである。この事実は、後にZDRでの調査任務においても重要な鍵を握ることになる。
各作品における特徴[]
メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS[]
ベビーと遭遇するサムス (Ⅱ)
- 本作のベビーは、サムスの後を追跡する性質がある。洞窟通路を塞いでいるクリスタルはベビーの接触により除去可能で、この性質を利用しながら先に進むことになる。地表に到達すると、ゲームのエンディングを迎えることができる。なお、ベビーには当たり判定があるため、地形等に引っ掛けることが可能。
スーパーメトロイド[]
- 本作のキーキャラクターであり、劇中で度々登場する。まずオープニング映像およびタイトル画面で、研究設備に格納されたベビーの様子を確認できる。周囲には研究員の死体が倒れており、不穏な空気を醸し出している。
- ゲーム開始直後のプロローグで、前作『Ⅱ』での遭遇、およびその後の出来事について説明される。卵から孵化したベビーはサムスに回収され、宇宙科学アカデミーに預けらたが、緊急事態が発生。宇宙海賊の襲撃によりアカデミーは壊滅状態に陥る。序盤のチュートリアルステージ「スペースコロニー」では、パイレーツ最高司令官のリドリーによってベビーの入ったカプセルが強奪されてしまう。
- サムスはリドリーを追跡して、ゼーベスの地に降り立つ。その後しばらくベビーと遭遇することは無い。ノルフェア深部でリドリーを撃破後、奥の小部屋に入ると、割れたベビーのカプセルが置かれている。この時点で既に、ベビーは別エリアに搬送されていたようである。
- ゲーム終盤、ツーリアンにてベビーと再会を果たす。全く原型を留めない程に巨大化、グロテスクな外観に変貌。サムスの所持武器は一切通用しない。凶暴化したベビーがサムスに気付く場面は、テキストでの解説等一切無く、スプライトアニメーションと3種類の鳴き声SEだけで表現されている。
メトロイド フュージョン[]
- 名称のみテキストで登場。ゲーム冒頭のプロローグにおいて、サムスがSR388を再訪したことを回想する際、ベビーメトロイドのことを思い出している。また、サムスがXに寄生され死の危機に瀕した際、ベビーの細胞組織から精製されたワクチンの投与によって、一命を取り留めた旨も説明される。サムスはこの事実を知り、ベビーに再び命を救われたと噛み絞めていた。
METROID Other M[]
マザーのハイパービームを受けて死亡するベビー (MOM)
- また本作において、ベビーがクイーンメトロイドに成長する素質を持つ特殊個体であったことが判明。回想シーンで『Ⅱ』におけるベビーとサムスの初遭遇シーンもリファインされている。
メトロイド サムスリターンズ[]
生まれたばかりのベビー (MSR)
- エリア8でクイーン撃破後、奥の部屋に進むと画面が暗転。カットシーンに移行する。サムスが接近すると卵が割れ、ベビーメトロイドが誕生。サムスはすかさずキャノンを構えビームをチャージしながら警戒するが、発砲はしない。卵から孵化したベビーは鳴き声を発しながら、サムスに近づく。サムスの主観視点から見たベビーの様子が映され、敵意が無いとみたサムスはビームチャージを中断。徐に左手を前にかざすと、ベビーが嬉しそうに寄り添って来る。
サムスに追従するベビー (MSR)
- 結晶状ブロックに接近すると、そのブロック列を食べて消す能力も有している。この性質を利用して、スターシップがある地表を目指すことになる。なお本作では『Ⅱ』とは異なり、最終エリア以外にも結晶ブロックが点在している。このため終盤にベビーを連れてこなければ獲得できないアイテムもいくつか存在する。
- 地表のシップ付近に到達すると、再びカットシーンが挿入される。ベビーは興味を抱いたのか、スターシップに急接近して周囲を浮遊。それを狙ってプロテウスリドリーが登場。戦闘となる。第1段階ではベビーはリドリーに捕まっている。第2段階ではリドリーの手を離れ、背景に存在。サムスとリドリーの戦闘を見守っている。第3段階に移行する際のカットシーンで、リドリーに捕獲され窮地に陥ったサムスを救うため、ベビーがリドリーに食いつき、エネルギー吸収を行うシーンがある。後付け設定ではあるが、これにより『スーパー』以前の時系列でも、サムスの危機を救っていたことが判明したのだった。その後、第3段階ではリドリーの体力が一定値以下になるとカットシーンが入り、ベビーの援護攻撃が挿し込まれ、メレーカウンターを決めるチャンスが生まれる。
- プロテウスリドリー撃破後、ベビーはサムスと共にスターシップに搭乗。SR388を後にする。
オフィシャルデータ[]
公式サイト[]
銀河連邦より「メトロイド殲滅」の指令を受けたサムスは、惑星SR388にてその任務を遂に果たす。
唯一、誕生した際の「すりこみ」によってサムスを母と認識していた「ベビーメトロイド」だけは連れて帰るが、
結果として、それは直後のスペースパイレーツとの事件の原因となってしまうのだった。
そしてスペースパイレーツとの闘いの中で、ベビーメトロイドはサムスを救うために命を落とすこととなる。
登場作品[]
豆知識[]
- メトロイドシリーズの主要開発者である坂本賀勇は、『Ⅱ』のラストシーンでサムスがベビーを持ち帰る演出から着想を得て、シリーズ第3作『スーパーメトロイド』の開発を開始したと述べている[3]。
- 『Ⅱ』『サムスリターンズ』では、メトロイドの残個体数を知らせるメトロイドレーダーが登場するが、ベビーには反応しない
- 孵化直後で体が小さく、レーダーの基準値に達していないものと推測される
- 『Ⅱ』では、ベビー遭遇後にクイーンメトロイド戦闘部屋に戻ると、ベビーがサムスの後を追ってこない
- 卵が置かれた部屋に戻ると、ベビーが定位置に待機しており、接近すると再びサムスに追従するようになる
- 『スーパーメトロイド』終盤のベビーが、オメガメトロイド等の形態に成長せず、そのまま巨大化した原因は不明である。
- 『フュージョン』において、メトロイドはSR388の環境下でのみ脱皮・変態が可能なことが明言されている。そのため、スペースパイレーツの実験により凶暴化し、ゼーベス原生生物から過剰なエネルギー吸収を行ったにも関わらず、脱皮変態が行えずそのままの姿で成長を遂げ、結果的に巨大化したとする仮説が有力である。
- しかし『スーパー』より前の時系列を描いた後発作品『フェデレーションフォース』では、スペースパイレーツがバイオン古代種族の技術を応用して開発した「ヒュージネートビーム」という兵器が登場。生物を巨大化させることが可能な技術で、この応用により巨大化を果たしたメトロイドも出現する。この巨大メトロイドの大きさは『スーパー』の巨大化したベビーと同程度の大きさであり、同様の技術が使われた可能性も浮上してくる。
脚注[]
- ↑ プロモーション映像「メトロイドと私」より。
- ↑ 『サムスリターンズ』において新たに追加されたストーリー。リメイク元の『Ⅱ』ではプロテウスリドリーとの戦闘描写はない。以後、シリーズ正史として扱われると考えられる。
- ↑ 『任天堂公式ガイドブック スーパーメトロイド サムス・アランの2時間59分』より
関連項目[]
- メトロイドワクチン - ベビーの細胞片から精製された。
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メトロイド | メトロイド | アルファ | ガンマ | ゼータ | オメガ | クイーン | 卵 |
スーパーメトロイドに登場するクリーチャー一覧 | |
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