『メトロイドプライム ハンターズ』(Metroid Prime Hunters) は、2006年6月1日に発売されたニンテンドーDS専用ソフト。『メトロイドシリーズ』第7作、および『メトロイドプライムシリーズ』第3作である。
解説[]
- 『メトロイドプライムシリーズ』の世界観を使用した対戦型ファーストパーソンシューティング = FPSゲーム。2004年に開催されたゲーム見本市「Electronic Entertainment Expo 2004 (E3)」で初めて情報が公開され、当初は『メトロイドプライム ハンターズトーナメント』という名称で紹介されていた。後にニンテンドーDS本体とデモ版ソフト『メトロイドプライム ハンターズ ファーストハント』が同梱されたパッケージが日本を除く欧米各国で販売された。DS振動カートリッジにも対応している[2]
開発[]
プロジェクトの始動[]
タイトル画面
- そこで田邊は、米・ワシントンのレドモントに設立され、ニンテンドーDSに関する知識・技術に長けた任天堂の子会社、Nintendo Software Technology (NST) にこのコンセプトを持ちかけ、本作の開発を委託した。『ハンターズ』開発プロジェクトは、プロデューサーのMasamichi Abe、リードテクニカルエンジニアのColin Reed率いる、約30人ほどのスタッフで構成されていた。これは当時の他のニンテンドーDS向けソフト開発チームと比較するとかなりの大所帯であった。
紆余曲折を経て実装されたオンライン対戦[]
- NSTは本作の製作にあたって、多人数で対戦を行うマルチプレイモードの開発に特に力を入れた。一人称視点で遊ぶ『メトロイドプライム』のシステムがファーストパーソンシューティング = FPS型対戦ゲームとの相性が良い点、タッチスクリーンやマイクなどのニンテンドーDSに搭載された様々な機能を最大限に活用することができる点が、主な理由として挙げられる。
- 発売予定日にWi-Fiコネクションの調整が間に合わないことから、本作は当初、オンライン対戦を実装せず、ダウンロードプレイ・マルチカードプレイにのみ対応する予定だった。しかし、E3 2005での発表時、オンライン対戦未対応である点について失望の声が多数あげられた。そこで任天堂は2005年8月に、オンライン対戦の実装、およびWi-Fiコネクションの整備・改善を行うため『ハンターズ』発売を延期すると公表。ファンが待ち望んだオンライン対戦の実装だけでなく、フレームレートの低減・グラフィック向上などの作業にも時間が充てられ、結果としてより良いゲームプレイ環境の構築に成功したのだった。
- また開発延期を受けてNoAは、アメリカで販売された初期数百万台ののニンテンドーDSに無料のデモ版ソフトを同梱。DSで『メトロイドプライム』を遊べるというハード性能をアピールしつつ、ファンの期待を裏切らないよう細心の注意を払っていた。
シリーズ世界観の拡張[]
- NST開発チームはこれまでの『メトロイドシリーズ』に無かった要素を追加しようと考え、新たに個性豊かな6人のバウンティハンターを考案。マルチプレイモードが搭載された『ハンターズ』が、サムス以外のハンターを登場させる格好の機会だと考えたことが主な理由であり、これは開発の初期段階から構想されていた。
- 他の『メトロイドプライムシリーズ』の中でも外伝的要素が強い本作だが、過去のシリーズ作品との兼ね合いも重要視されており、世界観の統一を図るため、NSTはレトロスタジオのスタッフと共同でコンセプトアートを製作した。ゲーム中の一部のモデルデータは過去のシリーズ作品から参照されており、バリアスーツは『プライム2』のものを、スターシップは『プライム』と同一のモデルを使用している。これには技術的な進歩により、携帯機で『メトロイドプライム』と同程度のクオリティのゲームが実現したことを、『ハンターズ』を遊ぶユーザーに感じ取ってもらいたいという意図も含まれている。
ストーリー[]
---ミッションファイル 79109---
「究極の力の秘密、アレンビックに眠る」
---データ確認---
銀河連邦の所属テレパスが先刻受信した
このテレパシーメッセージは
「テトラ銀河系」の未開の宙域
「アレンビッククラスター」より発信されたものである。
---要項---
1.メッセージの真意を調査せよ。
2.可能ならば「究極の力」を銀河連邦の管理下に確保せよ。
3.不可能であれば、「究極の力」を完全に封印するか、破壊されたし。
---潜在的事態---
テトラ銀河系は銀河連邦の勢力圏外に位置しており、
アレンビッククラスターはその中でも
さらに未開の宙域にあたる。 これは極秘ミッションとなる。
しかし、残念ながら銀河連邦以外の存在が、
テレパシーメッセージをすでに受信している事を確認している。
「究極の力」、その魅力は耐えがたいものであるはずだ。
それを巡り戦闘が予想される。 万全の準備をもって臨まれたし。
座標アップロード開始_
宇宙のはるか遠く、銀河連邦の勢力圏よりもはるか遠くに、「アレンビッククラスター」として知られる星域がある。かつて平和的かつ強大なアレンビック族の文明が、この地を支配していた。だが、恐らく数千年前、あるいは数万年前、最高の兵器に護られた「オクトリス」を残して、彼らはこつ然と姿を消した。
それから幾世紀もの時を経た現在、奇妙な事件が起こる。アレンビッククラスターから発信されたテレパシーメッセージが、銀河中でも特に上位に位置する者たちの頭脳に届いたのだ。メッセージは数千の言語、数千の言葉に翻訳されたが、その意味するところはすべて同じであった。「究極の力、その秘密はアレンビッククラスターに眠る」と。
このメッセージは名高い6人のバウンティハンターを魅了し、彼らはそれぞれの理由を胸に、アレンビッククラスターへと向かった。自身のため、あるいは星や種族のために力を求める者、あるいは己こそが銀河最高のハンターであることを証明するために、闘争と破壊を求める者。ハンターたちは競い合って、「究極の力」の正体を解き明かそうとする。
一方、この奇妙な事件を知った銀河連邦も、メッセージの真相を解明するため、サムス・アランをアレンビッククラスターに派遣する……。
キャラクター[]

『メトロイドシリーズ』の主人公。銀河でも指折りの実力を持つ、凄腕のバウンティハンター。銀河連邦からの依頼を受けて「究極の力」の調査任務にあたる。

本能的に任務を「狩り」として遂行する恐るべきハンター。不死の兵士を生み出す実験で誕生した、失敗作の人工生命体。自分が銀河最強のハンターであることを証明するため、「究極の力」を手中に収めようと画策している。

原因不明の失踪を遂げたダイアモント族のただ一人の生き残り。一族の謎を解き明かすため「究極の力」を追い求めている。

スペースパイレーツの特殊部隊に所属するサイボーグ戦士。かつてサムス・アランとの戦いで負傷した下半身をパワードスーツで補完、恐るべきハンターに生まれ変わった。

厳しい戒律を持つことで知られる、誇り高きヴォゾン族の一員。「究極の力」が掟を破る不道徳者や、その力を持つに値しない者の手に渡り悪用される可能性を危惧して、自身の手でそれを回収することを決意した。

他の惑星を侵略することで糧を得る、銀河で最も忌み嫌われるクリケン族の戦士。彼自身や一族にさらなる力と名誉を与えるであろう「究極の力」の存在に興味を示す。

隠密行動・追跡術に長けたバウンティハンター。銀河連邦軍から奪取した試作兵器を独自に改造したと思われる、特製パワードスーツ・専用武器を装備している。詳細な理由は不明だが、銀河連邦とサムス・アランを激しく憎んでいる。
ゲームシステム[]
アドベンチャーモード[]
-
マルチプレイモード[]
- 詳細記事:マルチプレイモード
操作方法[]
サムスの操作[]
- DS上画面には操作キャラクター視点の基本画面、下画面には視点操作/武器切替等を行うタッチスクリーンがある。基本的に上画面を見てゲームを進めることになる。
- 本作では「タッチペン」「デュアル」2種類の操作方法が存在。それぞれに「右利き(R)」「左利き(L)」設定が用意されており、左右のボタン配置が逆となっている。
- 対戦モード「マルチプレイ」では、サムス以外のハンターも操作可能。操作方法はサムスとほぼ同一。トランスフォーム形態でのアクションが異なる。
- タッチペン
- 攻撃・移動はボタン操作で行い、それ以外の操作はタッチペンで行う方式。直観的な視点操作が可能で、本作を初めて遊ぶプレイヤー向き。
- 以下、右利き(タッチペンR) の場合の操作一覧となる。
操作 対応キー 移動 十字ボタン 視点操作 下画面をスライド ファイア Lボタン ジャンプ A/B/Y/Xボタン
下画面を2回タッチモーフボール トランスフォームアイコン (下画面) ボム モーフボール時にLボタン ブーストボール モーフボール時にRボタン 武器の切替
(ビーム/ミサイル/サブウェポン)各ウェポンアイコン (下画面) バイザーの切替
※アドベンチャーモードのみバイザーアイコン (下画面) スキャンバイザーの使用
※アドベンチャーモードのみバイザー起動時にLボタン マップ/ポーズ画面の表示 STARTボタン
- デュアル
- タッチペンを使用せず、全ての操作をボタンに集約している。一部操作は下画面 (タッチスクリーン) で行うが、スライド操作は無く、アイコン選択等で補助的に使用する程度。
- 以下、右利き(デュアルR) の場合の操作一覧となる。
操作 対応キー 移動 十字ボタン 視点操作 A/B/Y/Xボタン ファイア Lボタン ジャンプ Rボタン モーフボール トランスフォームアイコン (下画面) ボム モーフボール時にLボタン ブーストボール モーフボール時にRボタン 武器の切替
(ビーム/ミサイル/サブウェポン)各ウェポンアイコン (下画面) バイザーの切替
※アドベンチャーモードのみバイザーアイコン (下画面) スキャンバイザーの使用
※アドベンチャーモードのみバイザー起動時にLボタン マップ/ポーズ画面の表示 STARTボタン
その他の操作[]
- 各種メニュー操作は、DS下画面のタッチスクリーンで行う。文字・アイコンをタッチすることで項目の選択が可能。スターシップの星系スキャン画面等、一部画面ではアイコンをタッチしながら上下左右に移動させる「スライド操作」を使う場面もある。
ステージ[]
アイテム[]
アドベンチャーモード[]
マルチプレイモード[]
- 対戦モード「マルチプレイ」で使用可能なアイテム。武器アイテムは全ハンター共通で、ミサイルを含む8つのサブウェポンを使用可能。
クリーチャー[]
- 1人用モード「アドベンチャー」に登場するクリーチャーの一覧。
メトロイドプライム ハンターズに登場するクリーチャー一覧 | |
---|---|
原生生物 | ペトラシル | ブラストキャップ | ズーマー | ギーマー | ストライカー | ワスプ | ウォーワスプ | レッドワスプ | ブルーワスプ | イスラック | グレイターイスラック | クアドトロイド | ファイアーシクロプス | フロストシクロプス |
アレンビック テクノロジー |
サイコビット | エレキサイコビット | マグマサイコビット | アイスサイコビット | オートタレット | オートタレットH | オートタレットI | ボルドラム | エレキボルドラム | マグマボルドラム | アイスボルドラム | スモア | ガーディアン |
守護兵器 | クレタフィッドα | クレタフィッドγ | クレタフィッドΖ | クレタフィッドΩ | スレンチα | スレンチγ | スレンチΖ | スレンチΩ | スレンチタレット |
ハンター | カンデン | スパイア | ノクサス | トレース | ウィーヴェル | サイラックス |
ゴリア | ゴリア | ゴリアソウル | カホ |
エンディング[]
- 1人用の「アドベンチャーモード」では、2種類のエンディングが存在する。
特典[]
マルチプレイの追加要素[]
- 1人用モード「アドベンチャー」の進行に応じて、マルチプレイで使用可能なハンター、ステージ等が追加されていく。
サウンドテスト[]
- 詳細記事:サウンドテスト
他機種版[]
Wii U バーチャルコンソール[]
「上画面重視レイアウト」でのゲームプレイ
- 画面レイアウトは以下の6種類。なお、任天堂公式ガイドでは「上画面重視レイアウト」が推奨されている[3]。
- 大きい画面レイアウト
- NintendoDSレイアウト
- 上画面重視レイアウト (右きき/左きき)
- 下画面重視レイアウト (右きき/左きき)
- 縦レイアウト (右きき/左きき)
- 縦持ちDSソフト用レイアウト (右きき/左きき)
- ゲームの途中経過を保存する「まるごとバックアップ機能」も使用可能。キーコンフィグは無く、ボタン配置の変更は不可。
- なお、Wii U VC版は通信機能がカットされているため、本作の目玉とも言える無線/Wi-Fi通信による多人数マルチプレイができない。基本的に1人用のアドベンチャーモードを遊ぶしかなく、マルチプレイモードを遊ぶ場合はCPUとしか対戦できない。
- 2023年3月28日にニンテンドーeショップがサービス終了。現在は入手不可。
豆知識[]
- 本作はシリーズで唯一、メトロイド (亜種/関連用語など含む) が登場しない作品となっている。
- 開発段階において本作は、各種ゲーム雑誌などで『メトロイドプライム ハンターズトーナメント』という仮タイトルで紹介されていた。
- E3 2015の時期に行われたインタビュー記事で、田邊賢輔は『ハンターズ』のハンター達は倒された (defeated) と語っている[4]。
- 記事を読む限り、今後の作品にサイラックスを再登場させる可能性があり、ハンター達が死亡した訳ではないと解釈できるが、サイラックス以外のハンターは今後の作品に登場する可能性は低いと思われる。ただし、翻訳を介した発言のため信憑性は低い。
オフィシャルデータ[]
書籍[]
>> 『プライム』の外伝
未開の星域であるアレンビッククラスターを舞台に、究極の力にかかわる「オクトリス」を巡って、バウンティハンターたちが争う。十字ボタンとタッチスクリーンとを組み合わせることで、移動と視点操作を同時に行えるのが特色。
●シューティング色が強く、大ダメージを狙えるヘッドショットといった要素も追加されている。
●モーフボールにもなって狭い通路にも入れる。もちろんオクトリスを集めるための謎解きで必要になるアクションだ。任天堂公式ガイドブック METROID Other M「主人公サムスの戦いの足跡」(p.172)
ギャラリー[]
紹介映像[]
脚注[]
外部リンク[]
関連項目[]
- 『メトロイドプライム ハンターズ』スタッフクレジット
- 『メトロイドプライム ハンターズ』部屋 一覧
- 『メトロイドプライム ハンターズ』エンディング
- メトロイドプライム ハンターズ ファーストハント - 海外でリリースされた本作の体験版ソフト。
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