『銀河連邦』(Galactic Federation) は、『メトロイドシリーズ』の宇宙における統治組織。各惑星の代表者によって構成された行政機関で、銀河社会の安定を目的とした様々な活動が行われている。
解説[]

銀河連邦本部 (Other M)
コスモ歴2003年、星間連絡船を利用した宇宙空間の長距離移動の実現によって異文化間の交流が盛んに行われ、銀河社会はかつてない繁栄の時代を迎えていた。こうした社会的背景を受け、銀河社会の恒久平和維持、各種族間の友好関係の発展などを目的として、各惑星政府の代表者によって構成された民主制の多種族間統治組織、銀河連邦が創設された。連邦本部の所在地は地球 (『漫画版メトロイド』では銀河首都ダイバン) となっている。
銀河連邦議会を中心とした大規模な立法・行政機関であり、連邦に加盟した種族と積極的に協力関係を築き、広大な宇宙においてその勢力圏を拡大している。直属組織として銀河連邦軍や銀河連邦警察などの軍事・警察機関が存在し、スペースパイレーツなどの犯罪組織の取り締まりや、銀河社会の脅威に対する軍事的行動を取る権限が付与され、様々な場所に拠点を置いて治安維持活動を行っている。また、銀河連邦および銀河連邦軍は、サムス・アランをはじめとしたアウトローのバウンティ・ハンターを雇用し、実行が困難な任務を依頼することも多い。依頼者に対しては物資・戦術面でのバックアップも随時行い、任務達成時には多額の報酬を確約している。
機関[]
- 銀河連邦議会
銀河連邦議会 (サムスリターンズ)
- 銀河連邦勢力圏内の治安維持を目的とした警察組織。ハーディが長官を務める。
- 宇宙科学アカデミー
- 銀河連邦の管轄化にある主要研究機関。かつては宇宙空間に存在する巨大人工施設、スペースコロニー内部に設置されていたが、リドリー率いるパイレーツ戦闘部隊の襲撃を受けて施設が壊滅。後に銀河連邦本部のある施設内に移転された。
加盟種族[]
- 銀河連邦の加盟種族は多岐に渡るが、ゲーム本編に登場する関係者の大半は、地球人種が占めている。銀河連邦軍は特にその傾向が顕著であり、軍に属する一般兵士・スタッフはすべて、地球人種となっている[2]。『マガジンZ版メトロイド』『サムス&ジョイ』などの漫画作品においては、地球人種以外にも様々な種族・ヒューマノイドの存在が確認できるが、彼らの種族名・詳細情報については何も公開されておらず、謎に包まれている。
- 広大な宇宙には未だ調査が及んでいない未開の惑星・地域が無数に存在しており、こうした場所に調査隊を派遣して、各種調査などを実施することも銀河連邦の重要な役割である。その過程で原住種族や知的生命体と遭遇することも少なくなく、そうした場合には敵意を見せず積極的にコンタクトを取り、同盟種族を増やすよう努めているようである。実例として、連邦と協力関係を結んだルミナスやエリシアンなどの種族が挙げられる。
文化[]
銀河連邦本部が置かれた地球の様子 (Other M)
- 連邦の施設・データログなどでは英文の表記が多く見られる[3]ことから、公用語は英語であると考えられる。
- 漫画版『メトロイド』では、セグルという通貨の存在も判明している。通貨価値などは不明だが、銀河社会で広く流通している貨幣である可能性が高い。
科学技術[]
- かつて鳥人族=チョウゾなどの先進種族から技術支援を受けていた背景もあり、銀河連邦は組織全体で非常に高度なテクノロジーを有している。特に軍事部門が卓越しており、強大なパイレーツや未知の脅威に対抗する戦力を確保するため、技術開発に惜しみなく人的資源・物資などが投入されている。
- チョウゾのオーバーテクノロジーを参照・模倣して開発された兵器も多く、マザーブレインの反逆後にチョウゾが消息を絶った現在では、チョウゾ文明の正統な継承者であるサムス・アランの持つ武装を参考に技術開発が行われている。『フェデレーションフォース』ではサムスのパワードスーツを基に開発された大型バトルアーマー「メック」の実用化に成功しているほか、『フュージョン』では、サムスの装備アイテムをデータ化・転送する技術を確立している。
- 『コラプション』では、オーロラユニットと呼ばれる人工知能を利用して、広大なネットワークを構築している事実も判明している。多方面のあらゆる分野に特化した複数のオーロラユニットをネットワークで直結させて討論・意思決定などを行わせていたが、そのうちの一つであるオーロラユニット313が奪われる事件が発生した。
組織の問題点[]
実際に"知的生物"と"連邦"から認められている種族が どれだけいるか わかってんのか。エ~!?
銀河社会の恒久平和のために活動する利他主義的組織として機能している銀河連邦だが、近年のシリーズ作品では、組織内で横行する暗部・過激派の存在や、それに伴い組織が抱える数多くの問題点が明らかにされつつある。特に軍事的権限を持つ銀河連邦軍の腐敗が顕著であり、サムス・アランが任務遂行中に、連邦軍に対して不信感を募らせる場面も見られる。
不当な差別[]
- 漫画版『メトロイド』第5話「危機」では、銀河連邦警察に逮捕され捕虜として尋問を受けていたゼーベス星人P-1が、銀河連邦が組織に加盟できる知的生物 (ヒューマノイド) を恣意的・差別的に選定しており、また実際の組織統治者は一握りの種族だけに限定されていると非難していた。事実、その場に居合わせていたモークの種族は下等生物として差別され、クリーツの種族は民族間戦争の責任を問われて不当な弾圧を受けた過去があった。ただし、このP-1の証言はパイレーツ側の憶測や誇張表現を交えたものであり、いささか信憑性に欠けることも考慮すべきである。
反逆者の存在[]
- 『メトロイドプライム ハンターズ』に登場するサイラックスは、銀河連邦を激しく憎み敵視しているという設定がある。一方、彼が着用しているパワードスーツと、携行武器のショックコイルはどちらも銀河連邦製の試作装備を改造したものである。これらの事実から、サイラックスはかつて銀河連邦の軍事組織に所属していた人物であり、組織に対する不信感・憎悪の念などを理由に連邦から離反した可能性がファンによって指摘されており、その原因として組織内に何らかの大きな問題があったものと推測される。
危険性の度外視[]
- 『メトロイドプライム3 コラプション』の銀河連邦軍は、人体に有害な放射性物質であるフェイゾンを軍事転用したフェイゾン強化装置 = PEDの開発を行っていた。装置の実用化にも成功しており、人体への悪影響は確認されていなかった。後に、ダークサムスによるフェイゾン汚染によって体内でフェイゾンを生産できるサムス達にも"合理的"であるとしてPEDスーツを装着させたが、サムスは後にコラプションモードによって完全な汚染の危機に瀕しており、これが他のバウンティ・ハンター達が洗脳された遠因となった可能性が考えられる。また、銀河連邦戦艦ヴァルハラに存在する銀河連邦兵士の死体の中には、PEDスーツ背部のフェイゾン貯蔵タンクが破壊され、フェイゾン汚染によって死亡した兵士がおり、まだ安全性が万全でなかったことも伺える。
生体兵器の運用[]
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ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。 |
- 『METROID Other M』劇中では、銀河連邦軍の過激派組織の存在と、その恐るべき陰謀の全容が明らかとなった。過激派組織は辺境宙域に廃棄されたボトルシップ施設内において、スペースパイレーツをモデルとした特殊部隊の研究開発計画を秘密裏に推進していたのである。この特殊部隊はゼーベスなど別の惑星から移送した野生動物・エイリアンを中心に構成されており、生体調整やサイボーグ化手術を施された生体兵器として使役されていた。生体兵器の使用は銀河連邦の定めた法律により厳格に禁じられているため、この研究計画は明らかな違法行為である。さらに施設奥部に位置するセクターZEROにおいて、細胞組織から復元したメトロイドの増殖にも成功しており、マザーブレインと同等の人工知能を持つアンドロイド、MBの持つ精神感応力によってメトロイドを制御・軍事利用する計画を同時に企てていた。
- しかし、メトロイドとの交信や、研究主任のマデリーン・バーグマンとの会話を通して自我・感情に近いものが芽生えたMBは、次第に研究所員達と意見が対立するようになった。これを計画実行の支障となると考えた過激派の研究員は、MBの思考プログラムの再調整を強行しようとしたが、人間に対する不信感・憎悪が頂点に達したMBは反旗を翻し、特殊部隊を率いて研究員たちを虐殺。生体兵器を操りボトルシップのコントロールを完全に掌握したMBは、銀河連邦に対して復讐を果たそうと画策した。
暗躍するデリーター (Other M)
- だが、アダム・マルコビッチとサムス・アランの介入、さらに小隊メンバーのアンソニー・ヒッグスの生存によって過激派の野望は白日の下に晒されることとなった。アンソニーが小隊の任務のもとマデリーンを保護したことで、マデリーンの証言を基に、連邦軍過激派に対しては然るべき処置が成されたものと考えられる。
登場作品[]
- メトロイド (取扱説明書で言及)
- メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS (取扱説明書で言及)
- スーパーメトロイド (取扱説明書で言及)
- メトロイド フュージョン
- メトロイド ゼロミッション (取扱説明書で言及)
- METROID Other M
- メトロイド サムスリターンズ
- メトロイドプライム2 ダークエコーズ
- メトロイドプライム3 コラプション
- メトロイドプライム ハンターズ
- メトロイドプライム フェデレーションフォース
- メトロイド (マガジンZ)
ギャラリー[]
豆知識[]
- 任天堂のレーシングゲーム『F-ZEROシリーズ』には、『銀河宇宙連邦』という組織が存在する。背景に共通点も多く見られるために同一の組織として捉えられることもあるが、世界観が異なるため実際は別物である。
脚注[]
関連項目[]
メトロイドシリーズにおける知的種族・文明一覧 | |
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現存 | 地球人種 | ルミナス | フィリジシアン | レプティリカス | ヴォゾン | クリケン | クラフト| ゼーベシアン| キハンター| マグドール |
滅亡 | アレンビック | イング | ブリオニアン | エリシアン | ダイアモント | バイオンの古代種族 |
消息不明 | チョウゾ (ソウハ族/マオキン族) | N'kren | イーラ | エノエマ | Monks of Grondheim |
多種族間組織 | 銀河連邦 | スペースパイレーツ |