『鳥人族』もしくは『チョウゾ』(Chozo) は、鳥類に似た容姿を持つヒューマノイドの総称。シリーズ初期作品では単に『鳥人』とも呼称されていた。
鳥人族は高い知能と戦闘能力、高度な技術力を有している先進的種族であり、かつて数多くの惑星に拠点を構えていた。『メトロイドシリーズ』作中では既に銀河社会から完全に姿を消してしまい、消息不明となっている。
解説[]
鳥人族が現在どのような状況にあるのか、知るものはいない。しかし、かつては銀河系の各地に入植し、数多くの遺産を残した。その遺産の数々は今もなお健在であり、サムスの活躍に大きな貢献をしている。しかし、メトロイドやマザーブレインのように銀河連邦を揺るがした遺産もあり、銀河の歴史にこれからも多大な影響を与え続けるであろう存在であることは確かと言える。
科学技術[]
- 鳥人族の技術力は銀河で最も高度であり、現在も原理詳細が解明されていない技術も多く、再現が至極困難な "ロストテクノロジー" となっている。その代表格がサムス・アランのパワードスーツであり、とりわけ球状に変形するモーフボールの技術についてはスペースパイレーツがその再現に乗り出したものの、被験者が複雑骨折で死亡するという、悲惨な結果に終わった事実からも伺い知れる。
- 鳥人族の最先端技術の結晶とでも言うべき産物が、銀河の平和を願い開発されたサムスのパワードスーツである。生命維持装置、エネルギー防御システム、豊富な武器・能力が等身大のスーツに凝縮されており、その技術再現は不可能といっても過言ではない。そして、あらゆる技術を柔軟に装備として取り込むことが可能な「モジュール機能」により、無限の進化の可能性を秘めている。鳥人族の持つ「調和」の思想を体現していると言えよう。
- 鳥人族の建造物の多くは石造である。長い年月が経過しても損傷が少なく、ほとんど風化していない様子から、非常に高度かつ複雑な建築技術が使用されていると推測される。この技術反映が顕著なのが、鳥人族が自身の姿を模して製造した彫像「鳥人像」である。多くは偶像崇拝のため製造されたものだが、一部の個体には高度なバイオテクノロジーが導入されており、財宝の警護等を目的として様々なギミックが搭載されている。
- ターロンⅣの鳥人族は、第三者によってフェイゾン隕石を悪用される事態を防ぐため、アーティファクト神殿やチョウゾルーインズの要所に残留思念を遺し、自らの死後も責務を全うしていた。しかし、この残留思念はチョウゾゴーストと呼称されている。しかし、チョウゾゴーストは長い時間経過によって敵味方の区別がつかなくなっており、味方であるサムスに対しても見境なく攻撃を加えてくる。『漫画版メトロイド』でも、サムスが死去した鳥人族の残留思念と対話するシーンがある。
文化・思想[]
- 鳥人族は高度な科学技術を有しつつも、むやみに自然環境を破壊せず、適度に調和させ共存することを良しとする思想を有していたようである。この傾向が特に顕著なのが、かつてターロンⅣに居住していた部族である。遺跡に残された碑文からは、彼らは自然崇拝・アニミズム的思想を有しており、機械文明を遠ざけ宇宙の理に従って、自然と調和・共存する道を選択した事実が明らかにされている。他にもゼーベスの鳥人遺跡・基地施設は、硬い岩盤に覆われた "天然の要塞" であり、機械文明の形跡も残されてはいるが、ブリンスタのように自然環境が残され、固有植物・原生生物が生息するエリアも存在する。こうした施設設計も、鳥人族の自然主義思想の表れと推測できる。
- 近年のシリーズ作品では、鳥人族の独自言語の存在が判明している。言語体系は部族によって微妙に異なるようで、ターロンⅣやの鳥人族は象形文字を、ゼーベスやZDRの鳥人族はアルファベットに対応した特殊な文字を利用していた。発音等も銀河連邦の標準言語 (英語) とは大きく異なるようである。一部の鳥人族の言語は意味が判明しており、彼らが開発した浮遊生命体「メトロイド」は、鳥人族の言葉で「最強なる戦士」を意味する単語であることが知られている[1]。
スキャンバイザーで碑文を読み取るサムス (MP1R)
戦闘・軍事力[]
古代鳥人族の戦士 (ゼロミッション)
- 古代鳥人族は身体能力が非常に高く、地上を高速で駆け抜ける「小型種」や、高い跳躍力を誇る「標準種」、全身を丸めて球体化できる「大型種」など、特徴の異なるいくつかの種族に分類された。各種族が持つ数々の驚異的な能力は、戦闘面でも大いに活躍したものと考えられる。
- 時代が進むと、鳥人族は高度なテクノロジーを軍事に応用して、様々な兵器開発に着手した。古代鳥人族が有していた優れた特殊能力を物質化したり、新開発した兵器を小型化して、モーフボールやスクリューアタックといった数々の「パワーアップアイテム」を製造。さらに自らを模したクローン生物「鳥人像」や、大型機械兵器「ディガーノート」に代表される高性能ロボット群も開発した。ゼーベスやSR388、ZDRなどの鳥人遺跡で確認できる遺物は、こうした活動によって生み出された産物と言える。
- また、鳥人族は自身が装着するパワードスーツ・武器の開発も行っていたようで、銀河連邦のアーカイブには、先進技術を結集した装甲で身を固めた「戦士型鳥人族」の記録も残されている。この兵器開発の過程で蓄積されたノウハウは、のちに製作されたサムス・アランのパワードスーツにも継承されている。
- このように高い戦闘・軍事力で勢力圏を拡大し、栄華を極めた鳥人族だったが、長命による高齢化などが遠因となり、長い歴史の中で衰退してゆき、次第に非戦闘的な部族が増えていった。特にゼーベスに住む鳥人族達は、他人に危害を加えると痛覚が刺激され、最悪の場合死に至るとも言われる心理プロテクトを自らに施し、新兵器の開発を取りやめ、戦闘を完全に放棄。銀河連邦へ技術的・物質的支援を行うなどして、銀河社会を陰で支える役回りに徹するようになった。
不穏[]
- 鳥人族の多くは温厚で平和的な種族であり、上記で挙げた高度な戦闘・軍事力は、あくまで平和的利用が最終的な目的だった点には留意すべきである。勢力圏を広げる過程で避けられない戦闘 (原生生物との戦闘など) で優位に立つことや、 スペースパイレーツなどの敵対種族に対する牽制が、本来の目的だったとみるべきであろう。
- ただし、『サムスリターンズ』のギャラリーモード「チョウゾメモリー」では、かつてSR388の地で繰り広げられた鳥人族の活動記録の一端を知ることができる。最後に解禁される11番目のアート(番号表記:2d)では、謎の鳥人族戦士が軍隊を率いて、同族を惨殺する光景が克明に描かれている。
- さらに『ドレッド』劇中では、この事件の首謀者と思しき鳥人族が登場。パワードスーツで全身を武装しており、ZDRに降り立ったサムス・アランに襲い掛かる。ZDRの事件によって、鳥人族の中にも未だ好戦的な気風を色濃く残す、過激派集団が存在することが明らかになった。
歴史[]
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ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。 |
前史[]
- 鳥人族の起源は不明である[3]。古来より高度な戦闘能力・テクノロジーを誇る種族として知られており、未開の惑星に入植して数多くの拠点を設け、広大な勢力圏を築いていたとされる。
- 鳥人族には様々な部族・宗派があり、高度な機械文明を誇る主要な部族はゼーベスを本拠地としていた。自然との共存・一体化を謳う別の部族は、ゼーベスと同一の星系に位置する自然豊かな惑星ターロンⅣに居を構えた。また、無人のガス惑星であるエリシアには、観測設備を備えた空中都市「スカイタウン」を建造。施設管理用の自律式ロボット群「エリシアン」も生み出した。後に鳥人族はエリシアを離れ、スカイタウンの管理をエリシアン達に委ねている。
- 知的生命が存在する惑星で、鳥人族が侵略行為を行ったとする記録は残されていない。惑星エーテルのルミナス族や、惑星ブリオのブリオニアンといった、各惑星に住まう種族との交流を重ね、友好の証として様々な技術提供を行なっていた事実が、現地の記録から明らかとなっている。
ターロンⅣの滅亡[]
- ターロンⅣは鳥人族の主要惑星の一つであったが、ある時フェイゾン生命体を擁する隕石が落下した。隕石の直撃による被害もさることながら、そこから漏れ出たフェイゾンによる汚染が惑星を蝕んだ。チョウゾルーインズは汚染によって突然変異を起こし誕生したフラーグラの力で水が有毒となり、居住が困難となった。これに対し鳥人族は多大な犠牲と労苦の末、隕石の上に神殿を築きフェイゾンを封印、さらにその封印が解かれぬよう12のアーティファクトを鍵とし各地に隠した。だが依然として汚染は深刻であり、鳥人族はいつか汚染の元を断つものが現れることを願いつつターロンⅣから去っていった。
銀河社会への貢献[]
マザーブレインから報告を受けるゼーベスの鳥人族達 (MMZ)
- この活動の一環として、高度な人工知能を備えた機械生命体「マザーブレイン」が開発された。銀河連邦と鳥人族のデータバンクをリンクさせ、宇宙規模の膨大なデータを基に的確な意思決定・判断を導出できるマザーの存在は、銀河の平和維持に多大な貢献をもたらしていた。このAI技術は後に、連邦製有機スーパーコンピューター「オーロラユニット」開発にも少なからず影響を与えたものと推測される。
SR388での悲劇[]
- 詳細記事:チョウゾメモリー
SR388に降り立つ鳥人族 (MSR)
- この脅威に対抗すべく、ソウハ族の科学者達は「メトロイド」を開発。メトロイドはXに耐性を持つ "天敵" であり、多数のメトロイドを解き放ったことで、Xの根絶に成功。宇宙の脅威は取り払われた。
- ようやく安寧の時が訪れたかに思われたが、メトロイド達は想定外の "進化" を果たす。脱皮変態により成長したメトロイドは、凶暴性が高く制御不能であり、創造主たるソウハ族すら手に負えない状態となっていた。
- ソウハ族は武闘派部族「マオキン族」と共同戦線を張り、多くの犠牲を払いながら、辛くもメトロイドを惑星の地下深くに封じ込めた。その後、ソウハ族は制御不能となったメトロイド諸共、SR388を爆破する計画を立案。しかし、生体兵器としての資質に富むメトロイドに価値を見出していたレイヴンビークは、強硬な手段でこれを阻止。クワイエットローブだけを残して、ソウハ族は全滅してしまう。レイヴンビーク率いるマオキン族一行は、メトロイド回収の準備のためにZDRに帰還。SR388のメトロイドは封印され、その存在を知る者がいないまま、長い年月が過ぎ去ることになる。
ゼーベスの滅亡[]
- 鳥人族がメトロイド開発に難航していたある時、ついにスペースパイレーツがゼーベスを襲撃した。この時マザーブレインは鳥人族を見捨て、スペースパイレーツに与した。惑星の中枢コンピューターの離反によって、鳥人族は一部がゼーベスから脱出したものの、これ以降種族勢力としては事実上の滅亡に追いやられた。のみならず、パイレーツの組織そのものも強力な要塞惑星と管理中枢を得たことで大幅に強化されることにつながった。
主な個体名[]
- 個体名・業績が判明している著名な鳥人族を以下に列挙する。
オフィシャルデータ[]
公式サイト[]
古代鳥人族のさまざまな種族
古代鳥人族は身体の違いから、種族ごとに独自の身体能力を身につけ、高めてきた。
俊敏な動きで地を駆けるものや、空高く跳躍するもの、柔軟な体で自らを球体のように変形させるといった特異なものまで、各種族が持つ驚異的な能力は、鳥人文明繁栄に大きく寄与した。
サムスが得るさまざまなパワーアップアイテムは、こうした古代鳥人族の優れた身体能力を物質化したものである。
歩く鳥人像 男性:
Q. 質問とはここにある開発ルームの設定資料についてなんですけれども、たしか漫画版では非戦闘民族だったはずの鳥人族が、ここの資料によると武装をしていて戦闘民族と言わんばかりなんですけどもそこら辺はどうなんでしょう。
坂本:
A. かつての鳥人族は高度なテクノロジーと高い戦闘力を誇る種族でした。しかし、長命による高齢化と繁殖力の低下によりやがて文明は衰退し非戦闘的な種族へとその性格を変えていきました。鳥人族がサムスに与えた「パワードスーツ」はその高度なテクノロジーの粋を集めて作られたものです。
NAME:T-800 AGE:15 SEX:男
QUESTION:
とても楽しんでプレイしています。ところで、「ルミナス」と「鳥人族」との間には何か関係はあるのですか?
ANSWER:
恐らくは、遠い過去に交流があった可能性が高いです。
チョウゾ
鳥のような容姿を持つヒューマノイドの一族で、鳥人族とも呼ばれる。高い知能を持ち、平和を重んじる。惑星ゼーベスをはじめターロンⅣなどの複数の惑星に痕跡を確認できるものの今や幻の種族となっている。
策略と真実
惑星ZDRに到着したサムスを突如襲った、⼀⼈の「⿃⼈族」。
何故か命を奪うことはせず、ただ彼⼥を惑星の深部に残して姿を消した。
惑星ZDRの地下深くに広がる謎の施設。そして、その至る所に存在する⿃⼈族の⽂明。それらが意味するものは?
彼⼥を襲った⿃⼈族の正体、そして⽬的とは?
鳥人族
銀河の調和を種の⽬的とし、高い知性と優れた技術⼒を持つ種族。
かつては知⼒と武⼒の両⽅を兼ね備えた強⼤な種族だったが、長い年⽉の中で種として衰えていき、今ではごく少数確認されただけで銀河の表舞台で目にすることはほとんどない。
今でも当時の⿃⼈⽂明の遺跡などが銀河の各地で発⾒されている。
開発チームレポート
実はサムスのパワードスーツやアームキャノンといった装備は、鳥人文明のテクノロジーです。
サムスは幼少の頃、とある事件で親も家も失い、惑星ゼーベスの鳥人族に育てられました。その際、人類にとっては過酷な環境にも適応するため、鳥人族のDNAを移植されています。
今回の舞台となる惑星ZDRにも鳥人族の文明がいたるところに存在しており、何かの形でストーリーに関係してくるのかもしれません。
登場作品[]
豆知識[]
- 鳥人族の名称は、日本では『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』が初出となっている
- 鳥人族 (および鳥人像) をデザインしたのは、『メトロイドシリーズ』メイン開発者の坂本賀勇である[5]
- 初代『メトロイド』開発が佳境に差し掛かっていた頃、映画『エイリアン』のようなハードSFの世界観でゲームを作ろうとしていたにも関わらず、未知の文明の存在を想起させるバックグラウンドが1つも無かった
- これを受けて坂本は『こういうのを置いといて』と鳥人像のデザインを描き、新人の松岡洋史に手渡したのだが、それがそのままゲームに採用されていたという
ギャラリー[]
脚注[]
- ↑ 『メトロイド フュージョン』取扱説明書 (p.41)
- ↑ METROID ZERO MISSION OFFICIAL SITE
- ↑ ログブック「エリシアンの記録」の記述から『プライム3』の約1500年前時点には、既に鳥人族は存在していたことが判明している。
- ↑ 明言されてないが、おそらくソウハ族である。
- ↑ https://twitter.com/Wata_Ridley/status/1701916589107687486
関連項目[]
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