『SR388』(エスアールサンハチハチ) は、銀河連邦の勢力圏外に位置する辺境の惑星。『SR-388』とも表記される。銀河社会を脅かした浮遊生命体、メトロイドが初めて発見された惑星として広く知られている。
解説[]

宇宙空間から見たSR388
銀河の辺境に位置する未開の惑星。全体が緑色の大気に覆われた惑星で、惑星の周囲にはアステロイドベルトが広がっている。惑星の地下には広大な洞窟が存在し、洞窟内には数多くの生物種からなる豊富な生態系が形成されている。
かつて鳥人族が文明を築いていた惑星の一つであり、惑星の地下には彼らの作り上げた施設や建造物の遺跡が数多く残されている。しかし、鳥人族は原因不明の失踪を遂げてしまい、その後惑星に知的生命体は一切存在していない。また、鳥人族はSR388に拠点を置いていた事実を他の友好的種族・組織などに報告していなかったため、銀河連邦の調査隊がこの惑星を発見するまでは、惑星の存在が銀河社会に認知されていなかった。そのため、銀河連邦やスペースパイレーツなどがこの惑星に拠点を置くことはなかった。
コスモ歴20X5年、この惑星において浮遊生命体、メトロイドが発見されたことはあまりにも有名である。メトロイドはあらゆる生物に取り付いて生体エネルギーを吸い尽くす特性を持ち、これによりSR388の生態系の頂点に君臨していた。メトロイドの持つエネルギー吸収能力に目をつけたスペースパイレーツは、この生命体を捕獲・増殖させて生体兵器として利用することを画策し、銀河社会を恐怖に陥れた。サムス・アランの手でパイレーツの野望が打ち砕かれ、SR388に生息するすべてのメトロイドが根絶された後は、惑星の各地に潜伏していたSR388原生の寄生生命体、Xがその個体数を急激に増殖させ、惑星全土にまで勢力を拡大し猛威を振るった。
また、SR388の軌道付近には BIOLOGIC宇宙生物研究所 = B.S.L の大型コロニーが建設され、様々な惑星環境に生息する多種多様な生物の飼育・研究が行われていた。
環境[]
『サムスリターンズ コンセプトアート』No.34より。荒廃した地表部には鋭利な岩石が数多くみられる。
- 惑星の地下には広大な洞窟が存在し、複雑に入り組んだ天然の大迷宮となっている。地下洞窟は合計8つのエリアに区分されており、それぞれの場所で環境・景観が異なっている。また洞窟内部には、かつてSR388に高度な文明を築き上げた鳥人族の遺跡が数多く残されている。惑星に存在する動物相の大半がこの地下洞窟内に生息しており、多様な生態系を形成している。
- SR388の地下遺跡は、以下のエリアに大別することができる。各エリアの詳細は該当記事を参照。
- 地表 - 地表面に位置するエリア。アルファメトロイドが出現。
- エリア1 - 鳥人族の遺跡が存在。
- エリア2 - 貯水・水力発電施設のようなエリア。ガンマメトロイド が出現。
- エリア3 - メトロイドの生息数が最も多いエリア。
- エリア4 - 二層構造のエリア。『II』では層ごとに別エリア扱いとなっている。
- エリア5 - 巨大な塔が中央にそびえ立っているエリア。
- エリア6 - 二層構造のエリア。オメガメトロイド が出現。
- エリア7 - 複数体のオメガメトロイドが出現。
- エリア8 - 最深部エリア。メトロイドの巣窟と化している。
- 地下洞窟の各エリア間を満たしている特殊溶解液は、メトロイドを惑星の地下に封じ込めるために鳥人族が設けたものであり、第三者の侵入を阻止する役割をも果たしている。この溶解液は各所に設置されている装置、封印の像によって管理されている。この像に規定数のメトロイドDNAを納めると、溶解液の水位が変動して、進行不能となっていたエリアに進めるようになる[2]。
歴史[]
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ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。 |
鳥人族による入植[]
SR388に降り立つ鳥人族の重鎮たち
原生生物の生態調査やメカノイドを利用した掘削作業に取り組む鳥人族
メトロイドの開発[]
Xの群れに遭遇した鳥人族の戦士たち。Xは惑星の原生生物に寄生・擬態し、攻撃性を増している
- 鳥人族は擬態・自己増殖能力を持つXが惑星外に進出したり、悪しき心を持つ者が生命体の持つ特性に目をつけ、悪用するような最悪の事態を恐れ、協力関係にあった銀河連邦や他の平和的種族に対してもその存在について一切知らせることなく、秘密裏にすべてのXを葬り去ることを計画した。鳥人族はSR388に建設した研究所で、Xの天敵となる人工生命体の開発に着手し、これを完成させた。こうして誕生した生命体こそが、のちの銀河社会に多大な影響を与えることとなるメトロイドであった。
研究所でメトロイドの開発を行う鳥人族たち
- 万全の準備を整えた鳥人族は、満を持して多数のメトロイドを惑星内に解き放ち、Xの殲滅活動を開始した。計画は順調に進行した。鳥人族の管理の下、メトロイドは惑星の各所に潜むX、および他の生物に擬態したXを見つけては捕食を行い、生体エネルギーの吸収によりそのすべての生命活動を停止させた。メトロイドの目覚ましい活躍により、鳥人族たちはSR388の生態系を大きく損なうことなく、惑星に生息する大半のXを処理することに成功したのである。
鳥人文明の滅亡[]
創造主たる鳥人族に襲い掛かるアルファメトロイド
- メトロイドはXの天敵として機能しているため、これを殲滅することはXの再繁殖を意味することとなる。よって、鳥人族に残された唯一の選択肢はメトロイドの封じ込めを行うことであった。鳥人族は非常に強力な腐食性を持つ特殊溶解液と、それをコントロールする封印の像を開発。各エリアを結ぶ通路毎にこれらを用いることにより、エリアの大半に住み着いているメトロイドたちを封じ込めることに成功した。しかし、この行為は今まで開拓した場所のほぼ全てを埋め立てることと同意義であった。そして、その時の鳥人族には新たに惑星を開拓する力も残されてはいなかった。こうして、SR388の開拓は失敗という結果に終わった。
- 鳥人族の文明はSR388で根付かず、いくつかの痕跡を残して滅亡した。管理を外れたメトロイドはただ生態系の頂点を独占した。この間、Xはメトロイドに多くを捕食されつつもひそかに生きながらえていたと考えられる。
銀河連邦の調査・ゼロミッション[]
- コスモ歴20X5年、惑星開拓団が銀河連邦の勢力圏外に位置するSR388を発見、未申請の惑星があるとして連邦本部に対して報告を行った。これを受けて連邦はただちに第一次調査隊を編成、現地へ派遣した。SR388に降り立った調査隊は活動を開始したが、彼らが到着した時点ではすでに約80%の生物種が死滅しており、死の惑星ともいうべき様相を呈していた。調査活動を続ける中で、調査隊は未確認の生物種が生存しているのを発見・保護したが、その生物こそが惑星の生態破壊の要因となった浮遊生命体、メトロイドの幼生体であり、第一次調査隊はすべてメトロイドの犠牲になってしまった[3]。
SR388の軌道付近で、パイレーツ戦闘部隊の襲撃を受ける銀河連邦の調査船
- 銀河の征服を企てるパイレーツの計画内容を把握した銀河連邦は、銀河でも腕利きのバウンティーハンター、サムス・アランをゼーベスのパイレーツ基地へ送り込んだ。基地へ侵入したサムスは、基地内にいたすべてのメトロイドを撃滅し、さらにパイレーツを統率する機械生命体、マザーブレインを撃破することに成功。パイレーツの野望を打ち砕いたのであった。
再度の調査[]
SR388の地表を行く連邦警察の武装兵士たち。この先に待ち受ける恐怖を、彼らはまだ知らない―
受信したデータを解析する連邦の研究員たち。
サムスによるメトロイド殲滅[]
SR388でミッションを開始するサムス。
ベビーメトロイドと遭遇するサムス。葛藤の末、彼女はベビーを連れて帰ることを決意した。
Xの繁殖[]
- 天敵であるメトロイドがいなくなったことで、SR388で細々と生きながらえていたXは再びその勢力を拡大し、惑星の生態系の頂点に君臨した。惑星に生息する様々な生物に擬態し、その個体数を爆発的に増殖させていたのである。
調査隊の警護を行うサムス。彼女の先にいるナードが、その後凄惨な事態を引き起こすことになる。
惑星の最期[]
- 事件が進行するにつれ、もはやB.S.LはXの一大繁殖地であり、この宇宙ステーションもろとも破壊しなければ銀河系が危ないという段階まで事態は悪化していた。だが、銀河連邦上層部はXの擬態能力を有効に活用しようと考え、Xを保護しようとしていた。ここにきてサムスは自らを犠牲にB.S.Lを自爆させてすべてを解決しようとしたのだが、SR388が残っていては意味がないとアダムに制止され、新たな解決策を提案される。それはB.S.LをSR388に衝突させ、自爆装置を作動させることで二つを同時に破壊するというものであった。このプランを見事実行したサムスは、スターシップに乗りB.S.Lを脱出。その直後SR388は爆発に巻き込まれ完全に破壊された。
クリーチャー[]
- SR388の環境下には豊かな生態系が形成されており、多様性に富んだ動植物が数多く見られる。
原生生物[]
- 五十音順に掲載している。
- オクトロル
- ガウロン
- クリーク
- グルグ
- グルバル
- グロー
- シールーク
- スコープ
- セプトー
- センジュー
- チュート
- ツムリ
- ドリベル
- ナード
- ニードラー
- ハラーサン
- ピンサー
- フラゾ
- フリット
- マルカラ
- ムンボ
- メボー
- モーシン
- モヒーク
- ユーミー
- ユンボ
- ラムキ
- X
メカノイド[]
- 何らかの目的のために鳥人族によって製造されたものと推測されるロボット群。制御者が姿を消してからは、地下に存在する遺跡内部およびその周辺を徘徊するなど、自律行動を取っている。五十音順に掲載している。
メトロイド[]
- 惑星にはびこるXの根絶を目的として、鳥人族によって解き放たれた人工生命体。あらゆる生物の生体エネルギーを吸収する特性、クイーンを中心とした惑星環境下における独自の進化によって惑星の生態系の頂点に君臨していた。また、SR388の環境下では、脱皮・変態を繰り返すことでより強力な形態へと成長することが知られている。
オフィシャルデータ[]
取扱説明書[]
地下世界の壁や床には、ビームで壊れるものや、爆弾でなければ壊れないものがある。これらは壊さなければ通れないところもあるので、注意が必要だ。さらに、見えない抜け道や落とし穴もあるらしいのだが……。
惑星SR388の地下はエリアにわかれ、そのエリアとエリアの間には、エネルギーを吸収する危険な液体が存在しサムスの侵入を拒んでいる。時として、地震と共にその液体が現れたり消え果てたりすることがあるのだ。その隙間をぬって通過しなければならない!
洞窟のある部分にはかつて栄えた高度な文明の遺跡のようなところもあり、この遺跡のような中にはサムスのパワーをアップしてくれるアイテムなどが隠されている。アイテムを捜し出し、装備することがこの指令を完了するための必須条件だ。メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS 取扱説明書
公式サイト[]
T.Y 18才男性:
Q. メトロイドフュージョンの最後のシーンで、<惑星SR388>は完全に消滅してしまったのですか?
坂本:
A. そうです。すごいぜ反物質爆弾!(ホントにあれば・・・)
銀河連邦からの依頼で、調査に向かった部隊が失踪した謎の惑星。地下世界は、ドーム状の空間が何層にも複雑に重なりあった構造をしており、いくつかは地上にもつながっていることが確認されている。深層部では、かつて惑星ゼーベスを奪われ、滅亡したはずの鳥人族が築き上げた古代文明の遺跡が広がっており、鳥人族が残した機械生物や、古くから生息する原生生物が住み着いているという噂も……。
メトロイド サムスリターンズ 公式サイト
登場作品[]
ギャラリー[]
豆知識[]
- 清武博二の言によると、SR388という名称はヤマハ発動機が製造・販売していたオートバイ『SR400』が由来となっている。かつてのSR400は、その排気量が400ccあるとされていたが、実際の排気量は388cc程度しかなかった。『メトロイド』を開発中だった清武は、この事実を元にした『SR388』という名称をメトロイドが発見された惑星の仮名称として便宜的に使用していたが、最終的にそのままの名称で定着してしまったという[5]。
- ちなみに、2017年9月1日、ヤマハ発動機よりSR400の国内生産終了が発表された。これはSR388が舞台となる『メトロイド サムスリターンズ』が発売される、少し前の出来事であった。
脚注[]
- ↑ 『サムスリターンズ』のギャラリーに収録されている『 チョウゾメモリー』では、鳥人族が防護服の類を着用せず、生身の状態で惑星の地表や洞窟内部で行動している様子が描かれている。これらの描写を見る限りではSR388の大気や放射線量などは生物に対して無害である可能性が高い。しかし、鳥人族は人間によりも身体および環境適応能力が高く、彼らが安全だからといって人間も同様であるとは言い切れない。
- ↑ 『メトロイド サムスリターンズ』で新たに追加された設定。『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』では特殊溶解液は「エネルギーを吸収する危険な液体」とされており、規定数のメトロイドを撃破すると地震が発生し、液体の水位が変動して洞窟の先に進めるようになる仕様になっている。
- ↑ 漫画版『メトロイド』第2巻 第14話「信頼」より。メトロイドによって全滅した第一次調査隊については、ゲーム作品では一切言及されていない。
- ↑ 『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』のストーリーより。『Ⅱ』のリメイク作品である『サムスリターンズ』では、この調査隊および救助隊に関する言及はなされていない。
- ↑ ニンテンドードリームVol.118 『やればやるほどディスクシステム インタビュー 前編』より。Nintendo DREAM WEBでも閲覧可能。
関連項目[]
メトロイドシリーズの天体・人工天体一覧 | |
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ダーシャ星系 | エーテル | ダークエーテル |
テルリアン系 | ノリオン | ブリオ | エリシア |
ガフラー系 | 銀河連邦戦艦ヴァルハラ |
ボルトリック系 | ウルトラガス |
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