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SR388』(エスアールサンハチハチ) は、銀河連邦の勢力圏外に位置する辺境の惑星。『SR-388』とも表記される。コスモ歴20X5年、この惑星で浮遊生命体、メトロイドが発見されたことはあまりにも有名である。

解説

かつて鳥人族が文明を築いていた惑星の一つである。しかし、原因は不明であるが鳥人族はこの惑星を去り、後に残されたメトロイドが惑星の食物連鎖の頂点に君臨するようになった。そのため銀河連邦はおろかスペースパイレーツもこの惑星で拠点を築くことはなかった。しかしメトロイドがサムス・アランの手で根絶されると、生態系が崩れXが惑星全体で繁殖を始めた。このXはBIOLOGIC宇宙生物研究所(B.S.L)に持ち込まれ、悲惨な事件を引き起こすことになる。最終的にSR388はXを根絶させるべくB.S.Lに激突させられ、B.S.Lが内蔵していた自爆装置によって消え去った。

環境

惑星の地表面には、鋭利な岩石に覆われた荒廃した大地が広がっており、惑星全体を緑色の大気が覆っている。この大気の組成や毒性の有無については不明だが[1]、人間にとっては生存が厳しい環境であることは間違いないため、惑星を探索する際には身体を保護する防護服の着用が欠かせない。また、惑星の大気圏内では時として嵐が吹き荒れ、巨大な竜巻が発生することもある。
惑星の地下には広大な洞窟が存在し、複雑に入り組んだ天然の大迷宮となっている。洞窟内部には、かつてSR388に高度な文明を築き上げた鳥人族の遺跡が数多く残されている。また、惑星に存在する動物相の大半がこの地下洞窟内に生息しており、多様な生態系を形成している。
地下洞窟の随所に満たされている特殊溶解液は、メトロイドを封じ込めるのみならず、第三者の侵入を阻止する役割を果たしている。この溶解液は各所に設置されている装置、封印の像によって管理されている。この像に規定数のメトロイドDNAを納めると、溶解液の水位が変動して、進行不能となっていたエリアに進めるようになる[2]

歴史

Samus Menu Pose M1 ネタバレ要素を確認: 以降の記述には、ゲーム・漫画などの核心部分について記述されている可能性があります。

鳥人族による入植

Chozo Memory 01 MSR

SR388に降り立つ鳥人族の重鎮たち

はるか昔、高度な文化・技術力を持つ先進種族、鳥人族が銀河社会の繁栄のために様々な活動を行っていた。未開惑星の調査・開拓事業もその一環であり、活動を続ける中で、彼らは銀河の辺境に位置する惑星SR388を発見。宇宙船を着陸させ、SR388の地表に降り立った彼らは、惑星環境の調査に乗り出した。
Chozo Memory 03 MSR

原生生物の生態調査やメカノイドを利用した掘削作業に取り組む鳥人族

生物種の死骸から発生するエイオンの発見、原住生物の生態調査など、SR388での鳥人族の活動は多岐にわたった。また彼らは種族の持つ高度な技術力を駆使して、大型掘削用兵器、ディガーノートをはじめとした多数のメカノイドを開発し、惑星の地下空間において大規模な開拓事業を行った。惑星の各エリアに存在する遺跡の大半はこのときに建設されたものであり、SR388における鳥人族の活動拠点として機能していたものと推測される。

メトロイドの開発

Chozo Memory 04 MSR

Xの群れに遭遇した鳥人族の戦士たち。Xは惑星の原生生物に寄生・擬態し、攻撃性を増している

地下洞窟内部の調査を行なっていた鳥人族は、あるとき偶然、惑星に生息する奇妙な浮遊生命体の群れに遭遇した。アメーバ状の不定形な本体を持つその生命体は、他の原生生物に寄生し、宿主を殺害した後、寄生した生物そっくりの姿に擬態するという、驚異的な能力を有していた。見た目に反して高い知能を持ち、さらに寄生した生物の特徴を正確にコピーする精密性を合わせ持つその生命体は、しかしながらただ本能に従い個体数を増やすことにしかそれらの特性を利用しない、非常に原始的な生物であった。高い攻撃性と繁殖力を持つこの生命体が、銀河社会に災厄をもたらす大いなる脅威になりえることは、想像に難くないことであった。鳥人族はこの恐るべき生命体に対して、Xという名称を付けた。
鳥人族は擬態・自己増殖能力を持つXが惑星外に進出したり、悪しき心を持つ者が生命体の持つ特性に目をつけ、悪用するような最悪の事態を恐れ、協力関係にあった銀河連邦や他の平和的種族に対してもその存在について一切知らせることなく、秘密裏にすべてのXを葬り去ることを計画した。鳥人族はSR388に建設した研究所で、Xの天敵となる人工生命体の開発に着手し、これを完成させた。こうして誕生した生命体こそが、のちの銀河社会に多大な影響を与えることとなるメトロイドであった。
Chozo Memory 05 MSR

研究所でメトロイドの開発を行う鳥人族たち

Xの根絶を目的として開発されたメトロイドは、他の生物から生体エネルギーを吸収する能力を持ち、細胞レベルでXの寄生・擬態能力に対して耐性を持ち、これを捕食することができる唯一の天敵であった。また、ある程度の知能を有しており、精神感応力を利用することでメトロイドの行動を制御することも可能であった。β線を照射するだけで爆発的に増殖させることも可能であり、惑星内に生息するXをすべて捕食するだけの個体数を用意することも十分に実現可能であった。
万全の準備を整えた鳥人族は、満を持して多数のメトロイドを惑星内に解き放ち、Xの殲滅活動を開始した。計画は順調に進行した。鳥人族の管理の下、メトロイドは惑星の各所に潜むX、および他の生物に擬態したXを見つけては捕食を行い、生体エネルギーの吸収によりそのすべての生命活動を停止させた。メトロイドの目覚ましい活躍により、鳥人族たちはSR388の生態系を大きく損なうことなく、惑星に生息する大半のXを処理することに成功したのである。

鳥人文明の滅亡

Chozo Memory 08 MSR

創造主たる鳥人族に襲い掛かるアルファメトロイド

こうして後顧の憂いを断ったはずの鳥人族であったが、悲劇は突然訪れた。地下洞窟で活動していたメトロイドの群れが外殻を突き破り新たな形態へと成長を遂げ、鳥人族たちに襲い掛かったのである。メトロイドはSR388の環境下で独自の生態系を構築し、脱皮を繰り返し行うことでより強力な個体へと成長を行うよう進化していたのである。成長を遂げたメトロイドは攻撃性が増大し、鳥人族のコントロールが効かないほどに凶暴化していたのである。これは鳥人族たちが予期していなかった事態であった。

メトロイドはXの天敵として機能しているため、これを殲滅することは

その文明はSR388で根付かなかった。やがていくつかの痕跡を残し文明は滅亡、管理を外れたメトロイドはただ生態系の頂点を独占した。この間、Xはメトロイドに多くを捕食されつつもひそかに生きながらえていたと考えられる。

銀河連邦の調査・ゼロミッション

コスモ歴20X5年、惑星開拓団が銀河連邦の勢力圏外に位置するSR388を発見、未申請の惑星があるとして連邦本部に対して報告を行った。これを受けて連邦はただちに第一次調査隊を編成、現地へ派遣した。SR388に降り立った調査隊は活動を開始したが、彼らが到着した時点ではすでに約80%の生物種が死滅しており、死の惑星ともいうべき様相を呈していた。調査活動を続ける中で、調査隊は未確認の生物種が生存しているのを発見・保護したが、その生物こそが惑星の生態破壊の要因となった浮遊生命体、メトロイドの幼生体であり、第一次調査隊はすべてメトロイドの犠牲になってしまった[3]
Opening Cutscene 01 MSR

SR388の軌道付近で、パイレーツ戦闘部隊の襲撃を受ける銀河連邦の調査船

その後、メトロイド捕獲チームが編成された第二次調査隊が再びSR388へと赴き、ついにメトロイドのサンプルの捕獲・回収に成功した。しかし、採取したサンプルを積み込み、帰還の途についた調査隊の宇宙船をスペースパイレーツの戦闘部隊が強襲した。パイレーツは、あらゆる生物のエネルギーを吸い尽くす特性を持つメトロイドを増殖させ、生体兵器として利用する計画を立てていたのである。目的を達成したパイレーツは、奪取したメトロイドを彼らの本拠地、惑星ゼーベスへと持ち帰った。
銀河の征服を企てるパイレーツの計画内容を把握した銀河連邦は、銀河でも腕利きのバウンティーハンター、サムス・アランをゼーベスのパイレーツ基地へ送り込んだ。基地へ侵入したサムスは、基地内にいたすべてのメトロイドを撃滅し、さらにパイレーツを統率する機械生命体、マザーブレインを撃破することに成功。パイレーツの野望を打ち砕いたのであった。

再度の調査

Opening Cutscene 06 MSR

SR388の地表を行く連邦警察の武装兵士たち。この先に待ち受ける恐怖を、彼らはまだ知らない―

メトロイドを巡る一連の事態を重く見た銀河連邦は、生命体が発見されたSR388に改めて調査隊を派遣、再調査を試みた。しかし、惑星の地底へ向かった調査隊は謎の失踪を遂げ、その救助に向かった別の部隊も消息を絶ってしまった[4]。これを受けて連邦は、さらに銀河連邦警察のエリート隊員からなる特殊部隊を現地に送り込んだが、この部隊もすぐに行方が分からなくなってしまった。しかし、通信が途絶する前に、特殊部隊はわずかなデータを連邦本部に送信していた。
Opening Cutscene 07 MSR

受信したデータを解析する連邦の研究員たち

データ解析の結果、SR388惑星内部にメトロイドの存在が確認された。多数のメトロイドが惑星の地下深くに潜伏しており、今なお活動を続けているという。またその資料には、惑星に生息するメトロイドの個体数は約40体であること、メトロイドにはミサイル冷気を伴う武器が有効であることなども示唆されていた。この噂は瞬く間に広がり、銀河社会を再びメトロイドの恐怖が襲った。銀河連邦はただちに緊急会議を行い、サムス・アランをSR388に派遣、惑星に生息する全てのメトロイドを殲滅する計画を立案した。指令を受けたサムスはスターシップに搭乗し、惑星SR388へと向かった。

サムスによるメトロイド殲滅

Cutscene Mission Start MSR

SR388でミッションを開始するサムス

SR388に降り立ったサムスは、メトロイドを殲滅すべく行動を開始した。惑星の地下洞窟を探索し、鳥人族の遺跡に数多く残された遺産を活用しながら、あらゆる場所に生息するメトロイドとの死闘を繰り広げた。脱皮を繰り返し、アルファガンマゼータオメガと、より強力な個体へと成長していくメトロイドとの戦闘は熾烈を極めたが、彼女は襲い来る困難を次々と跳ね除け、ミッションを遂行していった。洞窟の最深部に到達したサムスは、メトロイドを無数に生み出すクイーンメトロイドを発見。激闘の末、ついにクイーンの撃破に成功する。
Cutscene Samus Encounters the Baby MSR

ベビーメトロイドと遭遇するサムス。葛藤の末、彼女はベビーを連れて帰ることを決意した

ミッションを達成し、帰路についていたサムスだったが、その道中に産み落とされていた卵がサムスの目の前で孵化し、中から小さなメトロイド、ベビーメトロイドが生まれた。ベビーは刷り込みによりサムスを自分の母親であると思い込み、彼女に寄り添っていった。アームキャノンを構えて警戒していたサムスだったが、ベビーを引き連れてスターシップに乗り込み、惑星を後にしたのだった。こうしてメトロイドは、ベビーメトロイドを除いて残らず絶滅したのであった。

Xの繁殖

天敵であるメトロイドがいなくなったことで、SR388で細々と生きながらえていたXは再びその勢力を拡大し、惑星の生態系の頂点に立った。惑星に生息する様々な生物に擬態し、その個体数を爆発的に増殖させていたのである。
Samus and Federation Reserach Team MF

調査隊の警護を行うサムス。彼女の先にいるナードが、その後凄惨な事態を引き起こすことになる

そのような状況を知る由もない銀河連邦は、メトロイド絶滅後のSR388の生態系調査を、BIOLOGIC宇宙生物研究所 = B.S.Lに依頼した。その警護任務についたサムスは、再びSR388へ足を踏み入れることになった。調査隊のサンプル捕獲は順調に進行し、調査艇が引き上げようとしていたそのとき、サムスは不覚にも、惑星の原生生物、ナードに擬態していたXに襲われてしまった。Xの存在が銀河社会に認知されておらず、また襲われた当初はサムスの身体状況に異常が見られなかったため、サムスや関係者は事の深刻さに気付かず、そのまま調査任務を終了したのだった。何体かのサンプルをB.S.Lに持ち帰った結果、B.S.LでXは繁殖を繰り返し職員は全滅した。サムスも寄生された結果意識を失い、その治療の過程でスーツを切り取ったためSA-Xの誕生という最悪の事態を引き起こした。

惑星の最期

事件が進行するにつれ、もはやB.S.LはXの一大繁殖地であり、この宇宙ステーションもろとも破壊しなければ銀河系が危ないという段階まで事態は悪化していた。だが、銀河連邦上層部はXの擬態能力を有効に活用しようと考え、Xを保護しようとしていた。ここにきてサムスは自らを犠牲にB.S.Lを自爆させてすべてを解決しようとしたのだが、SR388が残っていては意味がないとアダムに制止され、新たな解決策を提案される。それはB.S.LをSR388に衝突させ、自爆装置を作動させることで二つを同時に破壊するというものであった。このプランを見事実行したサムスは、スターシップに乗りB.S.Lを脱出。その直後SR388は爆発に巻き込まれ完全に破壊された。

クリーチャー

SR388の環境下には豊かな生態系が形成されており、多様性に富んだ動植物が数多く見られる。

原生生物

五十音順に掲載している。

メカノイド

何らかの目的のために鳥人族によって製造されたものと推測されるロボット群。制御者が姿を消してからは、地下に存在する遺跡内部およびその周辺を徘徊するなど、自律行動を取っている。五十音順に掲載している。

メトロイド

惑星にはびこるXの根絶を目的として、鳥人族によって解き放たれた人工生命体。あらゆる生物の生体エネルギーを吸収する特性、クイーンを中心とした惑星環境下における独自の進化によって惑星の生態系の頂点に君臨していた。また、SR388の環境下では、脱皮・変態を繰り返すことでより強力な形態へと成長することが知られている。

オフィシャルデータ

取扱説明書

地下世界の壁や床には、ビームで壊れるものや、爆弾でなければ壊れないものがある。これらは壊さなければ通れないところもあるので、注意が必要だ。さらに、見えない抜け道や落とし穴もあるらしいのだが……。

惑星SR388の地下はエリアにわかれ、そのエリアとエリアの間には、エネルギーを吸収する危険な液体が存在しサムスの侵入を拒んでいる。時として、地震と共にその液体が現れたり消え果てたりすることがあるのだ。その隙間をぬって通過しなければならない!

洞窟のある部分にはかつて栄えた高度な文明の遺跡のようなところもあり、この遺跡のような中にはサムスのパワーをアップしてくれるアイテムなどが隠されている。アイテムを捜し出し、装備することがこの指令を完了するための必須条件だ。

メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS 取扱説明書


公式サイト

銀河連邦からの依頼で、調査に向かった部隊が失踪した謎の惑星。地下世界は、ドーム状の空間が何層にも複雑に重なりあった構造をしており、いくつかは地上にもつながっていることが確認されている。深層部では、かつて惑星ゼーベスを奪われ、滅亡したはずの鳥人族が築き上げた古代文明の遺跡が広がっており、鳥人族が残した機械生物や、古くから生息する原生生物が住み着いているという噂も……。

メトロイド サムスリターンズ 公式サイト


登場作品

ギャラリー

豆知識

  • 清武博二の言によると、SR388という名称はヤマハ発動機が製造・販売していたオートバイ『SR400』が由来となっている。かつてのSR400は、その排気量が400ccあるとされていたが、実際の排気量は388cc程度しかなかった。『メトロイド』を開発中だった清武は、この事実を元にした『SR388』という名称をメトロイドが発見された惑星の仮名称として便宜的に使用していたが、最終的にそのままの名称で定着してしまったという[5]
    • ちなみに、2017年9月1日、ヤマハ発動機よりSR400の国内生産終了が発表された。これはSR388が舞台となる『メトロイド サムスリターンズ』が発売される、少し前の出来事であった。

脚注

  1. 『サムスリターンズ』のギャラリーに収録されている『 チョウゾメモリー』では、鳥人族が防護服の類を着用せず、生身の状態で惑星の地表や洞窟内部で行動している様子が描かれている。これらの描写を見る限りではSR388の大気や放射線量などは生物に対して無害である可能性が高い。しかし、鳥人族は人間によりも身体および環境適応能力が高く、彼らが安全だからといって人間も同様であるとは言い切れない。
  2. メトロイド サムスリターンズ』で新たに追加された設定。『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』では特殊溶解液は「エネルギーを吸収する危険な液体」とされており、規定数のメトロイドを撃破すると地震が発生し、液体の水位が変動して洞窟の先に進めるようになる仕様になっている。
  3. 漫画版『メトロイド』第2巻 第14話「信頼」より。メトロイドによって全滅した第一次調査隊については、ゲーム作品では一切言及されていない。
  4. 『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』のストーリーより。『Ⅱ』のリメイク作品である『サムスリターンズ』では、この調査隊および救助隊に関する言及はなされていない。
  5. ニンテンドードリームVol.118 『やればやるほどディスクシステム インタビュー 前編』
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